様々な教育委員会で教員不足に対する対策が取られている。さいたま市では、教員免許を持たない人を対象にした受験枠まで設けられ、3年以内に教員免許取得を目途に教壇に立つことになるという。教員不足対策もここまで来たかと思う。
教員不足がなぜ起こるかと言えば、大学卒業の社会人新人が教職を希望しなくなったことに尽きる。その結果、今まで教員採用状況の調整弁的に扱われてきた非正規雇用の教員をどんどん正規雇用した。そして、今ではその非正規雇用の人材が枯渇したために、教員不足が発生しているという事だ。とすれば、解決するには、教職を希望する大学生を増やすしかない。
教職を希望する大学生を増やすために何をしているかというと、教職資格のための単位取得の緩和であり、採用試験の前倒しだ。なんとピントのズレた馬鹿げた対応をしていることか。そんなことで教職を希望する学生が増えると思っているとはおめでたい。なぜ学生が教職を希望しないか、そして教職に就いた若い教員も早期退職するか。学校現場がブラックだからだ。就業時間外の仕事が多い、保護者対応で疲弊する、授業以外の仕事が多い、様々な要因がある。そしてその結果、ワークライフバランスが維持できないのだ。
民間会社も人手不足である。だから、新入社員の給料が中堅社員の給料よりも高いというようなことまでして、人材を確保しようとしている。教育行政関係者は、リクルート関連のサイトを見たことがないのだろうか。民間会社がどれほどホワイト企業をアピールしているか。世の中の流れは、明らかに働く環境をよりよくする方向に向かっているというのに、学校現場だけが取り残されているのだ。
この教員不足に対して、文科省は教職調整手当を毎年1%ずつあげ、10%にすることで対応しようとした。給料をあげたら、ワークライフバランスが実現できるのか。できるはずがない。まずは、学校現場に人材を投入し、余裕のある職場環境にすることだろう。中学校は40人学級から35人学級になったが、まだまだ足りない。クラス数×2の教職員数が無ければ、余裕のある職場とは言えないのだ。私が経験した高校は、×2の学校があったが、そうではない学校もあった。しかし、義務教育の小中学校はもっと厳しい。この点を改善しなければ、教職を目指そうという学生は増えない。
不思議なことがある。学校で働く教職員が困っていることは当然だが、現場の管理職として校長・教頭も困っている。そして、教育委員会も困っているのだ。なのに、それぞれがそれぞれの弥縫策しか講じられず、そして現場の教師も仕事を減らすことしかできない。いや、それすらもできずに日々目の前の仕事に追われている。みんな困っているのだ。それなら、みんなで政府‐文科省に改善を要求しないのかと思うのだ。
例えば、全国の教育長、全国小中高の校長会、そして教職員組合、さらに、全P連だ。これらの組織が、一丸となって政府‐文科省に要求を突きつけないのが不思議でならない。
それぞれの組織が一致できるのは、教職員定数の増加だ。給特法の廃止では一致できないだろう。教職員定数の増加の一点で、東京に集まり、決起集会を開いてはどうか。全国農協のように。

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