私立学校法の「壁」

,

 5月30日の朝日放送「正義のミカタ」で、同志社国際高校の辺野古での死傷事故、及び同校が実施していた「平和教育」に対して、文科省が教育基本法違反であるという見解を示したことを大きく取り上げた。元朝日新聞記者の今野氏、中央大学の野村教授によるプレゼンが行われた。今野氏の地元のレポートもさることながら、野村氏が私立学校法の「壁」に言及したことは、画期的だった。

 野村氏は次のように言っていた。
「今回のように教育基本法違反が確認されれば、その下にある法律である学校教育法に基づいて、文科省は教育内容の改善命令をすることができる。しかし、今回の場合、私立学校法が「壁」になってそのことができない」
というのである。

そこで、もう一度、法律を確認した。学校教育法には第14条に次のように記載されている。
「大学及び高等専門学校以外の市町村の設置する学校については都道府県の教育委員会、大学及び高等専門学校以外の私立学校については、都道府県知事は、当該学校が、設備、授業その他の事項について、法令の規定又は都道府県の教育委員会若しくは都道府県知事の定める規程に違反したときは、その変更を命ずることができる。」

 ところが、私立学校法には、第5条に
「私立学校には、学校教育法第十四条の規定は、適用しない。」
と記されているのだ。これが、私立学校独自の教育活動を展開する保障となっている。この条項により、公立学校には無い個性豊かな独自の教育をすることができるという積極的な面があるが、今回のような事象には行政が対応できないのである。野村氏も指摘していたが、この法律が制定されるとき、私立学校法第5条を入れるために、私立学校の団体が猛烈な政治運動を行った結果導入されたという。
 しかし、制定時には、教育基本法に違反するような私立学校が出てくるとは、誰も想像していなかったのだ。上位法の違反が、下位法で是正できないというとてもおかしい状況が生まれていることになる。

 同じく番組に出演していた元経産省官僚の石川氏は、「今回の文科省の見解の発出は、担当官僚がとてもがんばったという意味で評価できる。」と述べた上で、「今回のような事例が起こったら、私立学校法に手を付けないといけないが、法律を変えるとなると何年もかかるので、閣議決定でもしてこのような事例に対する是正ができるようにしなければならない」と述べた。全くその通りだ。

 今回の「正義のミカタ」のように私立学校法の問題に言及したコメントを聞いたのは、私は初めてだ。前々からこの私立学校法の「治外法権的」な法律には、違和感を禁じ得ない。高校授業料無償化として、今まで以上に国民の税金が投入されるようになった私立学校が、教育基本法も守ることができない体たらくなら、私学助成の減額・返還はもちろん、高校授業料無償化の対象からも外すのが妥当だろう。

 ここは、日本維新の会が、政権のアクセル役として頑張るかどうかだ。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP