工藤氏側の「反論」は無いのか


 日本教育新聞に連載されていた「再検証 千代田区立麹町中の学校経営」が9月7日付けの記事で終わった。堀越勉氏の「荒廃した学校を立て直す 再建を託された校長の2年半の記録」が発刊されて、俄然工藤氏が行った「学校改革」が何だったのかに注目が集まった。

 とにかく工藤氏の「学校改革」は一世を風靡した。しかし、工藤氏の学校改革を模倣し、とんでもない失敗をしたという話も聞く。また、東京都のどの中学校も工藤氏の改革の後を追っていない。今回の日本教育新聞の「再検証」も、工藤氏の学校改革について批判的な立場で検証されている。私も堀越氏と同じ立場で、工藤氏の改革には批判的だ。

 ただ、世の中には工藤氏の信奉者も多い。当の工藤氏は、今回の連載について沈黙している。歴代の麹町中の校長による学校経営のシンポジウムでもやればよいと思うが、どうも工藤氏は「麹町中問題」には逃げの姿勢が垣間見える。まるで、麹町中のことなど無かったように、自らの「教育理念」に基づく活動をしている。私の住む河内長野市も工藤氏を教育アドバイザーに迎え、小中学校の教員向けに研修を行うようだ。まだ、堀越氏の著作が発刊される前に、アドバイザーが決定していたので仕方ないとは言え、果たしてこのまま工藤氏が河内長野市に関わり続けるのは大いに疑問である。私は、市長と教育長に堀越氏の本を献本した。

 この「再検証」については、工藤氏の「学校改革」に批判的な視点で行われている。工藤氏が沈黙しているなら、工藤氏信奉者でもいいから「反論」してはどうか。紙上討論を行うのも良いではないか。大学の研究者の中にも、工藤氏の改革を支持する人はいるだろう。「再検証」に反論してはどうか。そうすることで、より議論が深まるのではないかと思う。

 工藤氏が、未だに反論もせず、自らの学校改革の総括もせず、教育活動を続けていることには疑問だ。とことん議論をすればよいではないか。


“工藤氏側の「反論」は無いのか” への1件のフィードバック

  1. 住田のアバター
    住田

    一緒に働いた方々や関係者の方々のインタビューが大きかったと思います。私は中立な対場で関わりましたが、インタビューの中に生徒のプラスの変容を述べた方はいらっしゃいませんでした。マイナスの変容しか書いてないので、結果的に批判的な立場とみられたかもしれません。工藤さんと共に改革を進め、関りに感謝していた方ですら「改革の成果は全くなかった」と言われていました。そして、そのことは工藤さんも気付いていたと思います。ですから、私学ではありますが、その後の横浜創英、東明館と少しずつ自身の関り方と進め方を変えていかれたのだと思います。根本的なことは変わらないと思いますが、表面的には麹町中でのやり方の反省をもとに取り組まれていると思います。ですから、ここまで祭り上げられた麹町中改革を公に振り返り、総括することは自己否定になる可能性があるのでスルーされているのではないでしょうか。取り巻きの方や文科省の関係者、押しの方々も黙るしかないし、何も言わないのが得策だと判断されていると思います。私の日本教育新聞の全文掲載版はもう少し詳しく書きましたが、インタビューが全面的に公開されたら(それはできませんが)どうなることかと思います。まず、今の麹町中を静かに見守ることが大事ですから、大人としての対応をしていきたいと思います。なお、教育アドバザーとして活躍されることは結構なことだと思います。それを受け取る側の問題なので、必要であれば取り入れればいいし、必要ないと思えば取り入れなければいいと思います。ただ、一方的に自分の考えを押し付けたり、教育委員会がやらせようとしたら、かつての麹町中の二の舞になる危険性はあるかもしれません。決めるのは各学校です。

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