「日本型教育」とユネスコ


8月2日の読売新聞4面に「『日本型教育』ユネスコと」「学級会や日直 アフリカ普及へ連携」という見出しで記事が掲載された。日本型教育をユネスコと連携して、アフリカなどの新興・途上国での普及をめざそうというものだ。

 日本型教育は、2018年にエジプトに導入され、「エジプト日本学校」が設置され、27年には100校を超えるという。日本型教育は、「特別活動」を通じて、自主性や協調性をはぐくむと評価されている。私もこのエジプトでの日本型教育を特集した番組を見たことがある。日本の学校では当たり前になっている日直・清掃などを、エジプトの小学生も実践することで、家庭でも家事の手伝いを自主的にするようになったという成果を紹介していた。
 欧米では、学校は「勉強をするところ」と位置付けられ、学級という概念が無い。授業ごとに、児童・生徒が教室を移動する。一方、日本では先生が教室を移動し、生徒は同じメンバー(学級)で学び続けるというものだ。学級という場で学校生活を送ることにより、コミュニケーション能力や連帯感、責任感を育成するというものだ。

 ただ、懸念もある。不登校の問題だ。不登校には様々な要因があると思われるが、その一つが固定された人間関係である。最低でも1年間はずっと同じメンバーで教室という空間で過ごすことで、人間関係が固定化してしまうのだ。何らかの人間関係トラブルが発生してしまえば、その問題が解決するまでずっと同じ空間(教室)にいなければならない。だから、日本でもこのようなトラブルが起こると、保護者から「クラスを替えてくれ」「担任を替えてくれ」という要求が出されるのは、このためである。

 集団生活が行われていない新興・途上国の学校では、日本型の「特別活動」は意味がある。しかし、やみくもに導入を進めていくと、日本が直面しているデメリットがやがて発生するだろう。メリットもデメリットも含めて、どのように日本型教育を「輸出」するのか、ユネスコとの連携内容が重要だ。


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