6月1日、教員ら5人が、同志社国際高校の沖縄・辺野古での平和学習を巡って、文部科学省が政治的中立性を定めた教育基本法に反すると認定したことを受け、都内で記者会見した。自由学園高等部の大畑方人教諭は、「学校現場に政治的なテーマは扱わない方が安全だという空気が広がり、平和教育や主権者教育が萎縮することを強く懸念している」と危惧を表明した。記者会見という形式をとっていることを考えると、文科省の今回の見解について批判的な立場で行っているのだろう。
疑問に思ったのは、NHKの報道だ。6月1日の夜のニュースから2日の朝にかけて、この記者会見を大きく報道していた。NHKの報道は、公正公平、政治的に中立と思っていたが、この取り上げ方は、文科省批判側に寄っていると言わざるを得ない。朝日、毎日に続いて、「NHKよ、お前もか!」と思ってしまう。
確かに、今まであまり政治的中立性について考慮してこなかった教員や学校現場では、会見で言われているような「萎縮」に傾くかもしれない。だが、何回も言うようだが、そして松本文科相も何回も表明しているように、今回の件は「辺野古を取り上げるな」とか「平和教育をするな」というようなことを言っていない。逆に積極的に平和教育を推進し、賛否のある課題については、多面的、多角的に取り上げることを求めているのだ。
私は、教育基本法にも「アクセル」として記述されている
第十四条 良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。
と、
第十五条 宗教に関する寛容の態度、宗教に関する一般的な教養及び宗教の社会生活における地位は、教育上尊重されなければならない。
の政治教育と宗教教育については、それぞれの第2項の「ブレーキ」条項が効きすぎていて、戦後ずっと、学校現場はこの話題を取り上げるのに消極的だったと思っている。政治教育については、成人年齢が引き下げられたことにより主権者教育が盛んにおこなわれるようになったが、「模擬投票」などの表面的なことに留まっているのが現状だ。
そういう意味で言うと、会見を主催した「笑下村塾」のたかまつななさんが述べているように、「全国の高校などで主権者教育の実施率が9割を超える一方、現実の政治課題を取り上げる学校は3割にとどまること」「基地問題や外交防衛について議論しないまま大人になる方が、子どもにとっては不幸ではないか」という指摘は当たっている。
と考えるならば、文科省のベクトルも会見を開いた教員のベクトルも同じ方向性を向いている。会見を開いた教員たちは、文科省を批判するようなスタンスで会見するのではなく、全国の学校、教員に対して、「政治教育を推進しよう!」と呼びかけるスタンスで会見をしてほしかったと思う。
最後に、NHKにお願いだが、この文科省が断じた同志社国際高校の研修旅行での企画に対する教育基本法違反について、国民はどのように思っているのか、世論調査を実施してほしい。「萎縮」についてもどのような状況になっているのか、全国の学校にアンケート調査を実施してほしいと思う。その上で、「萎縮」についての議論をしてほしい。一部教員の意見をクローズアップして、文科省批判を展開し、「萎縮」「萎縮」と報道するのは、NHKとしてはあってはならない世論操作ではないかと思う。

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