「宝塚問題」は、問題のある「いじめ調査」と同じ!

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 11月14日に、宝塚歌劇団側の調査結果が報告された。大きくマスコミで報じられているので、詳細は避けるが、ポイントは以下の2点
①パワハラの事実はない。
②時間外労働は確かに多く、118時間以上
というものである。これに対して、遺族側の弁護団が猛抗議している。当たり前だろう。亡くなった歌劇団の団員を追い詰めたのは、上級生からのパワハラと度を越した長時間労働により、精神的に追い込まれた結果であるからだ。歌劇団側は、60人以上から聞き取り調査をしたというが、上級生4人は辞退したという。一番の核心に全然迫っていない。これで「パワハラが無かった」とよく言えたものである。

 この問題、学校で起こる不適切ないじめ調査と瓜二つである。不適切ないじめ調査は、加害者側や学校への聞き取りが不十分で、被害者側の言い分との乖離が起こる。教育委員会も「身内意識」から十分な調査を行わなかったりするケースがある。今回の歌劇団側も一応外部に調査を依頼している。しかし、上級生4人の調査拒否がなぜ起こるのか、歌劇団は強制力をもって調査に応じさせなければならない。いじめ問題では、第三者委員会による再調査ということになる。果たして今回の事案は、どのように展開するのであろうか。第三者委員会の役割を裁判所が担うことになるのだろうか。

 この問題、100年の歴史の中で積み上げられた意味の解らない因習にメスが入ることを期待したい。先輩が乗っているであろう阪急電車にお辞儀するって、何それ?である。何のためのルールか?宝塚歌劇団もルールメイキングが必要だ。閉ざされた世界というのは、こういうことが起こるのだろう。学校も「学校の常識は、世間の非常識」と言われないようにしなければならない。


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