日大のアメリカンフットボール部で、また不祥事が起こった。今度は、違法薬物である。逮捕者が出た。8月8日の記者会見で、「植物細片発見から警察通報まで12日の空白がある」ことについて、大学当局が厳しく追及されていた。担当の副学長が、「我々は捜査機関ではなく教育機関。教育的配慮として、大麻だったのであれば、学生に反省させ自主をさせたいと考えた」と応答した。この答弁を聞いて、「何を言っているのだ!こいつは!」と正直腹が立った。日大に教育的配慮を語る資格はない。この事件、疑問点が多すぎる。
第一に、植物細片は、大麻ではないかと思ったと副学長も述べている。薬物法違反で法に触れる事案である。大学が教育機関というなら、このように法に触れる事案を起こした学生に対して、どのように行動をすべきか、きちんと指導すべきであろう。その期間に12日間もかけるとは、高校で様々な問題事象に対処してきた者としては、信じられない対応である。このような大麻と思しきものが見つかった場合、疑いをもたれている学生の保護者に連絡を行い、大学の対応を説明し、できるならば保護者同伴で警察に出頭すること、できないのであれば、大学関係者が付き添う形で出頭することを告げなければならない。そして、大学はこの事態を警察に報告する旨を必ず告げ、警察にすぐさま報告しなければならない。「法に触れることを犯した者」が、どのように行動すべきかを示すことが、教育機関のあるべき姿だろう。
第二に、結局学生は逮捕された。「教育的配慮」で日大は何をしたのか。結局、日大の「教育的指導」(何をしたかは明らかになっていないが・・・)は、失敗したのだ。教育機関として失格だろう。穿った見方をすれば、12日間大学は、この問題にどのように対処すべきかを考えていたが、有効な対応策を講じることができなかったという機関ではないか。大学は「隠ぺい」を否定しているが、そのように見られても仕方がない対応である。
第三に、去年から薬物問題は、保護者からも問題提起されていたのだ。さらに、自己申告者がいたのだ。それにもかかわらず、今回の逮捕である。大学は、自己申告者が出た時点で、警察に相談し「『立件が困難』と返答を得た」と答えているが、警視庁幹部は「そのような相談を受けていない」と否定している。大学が個人的につながりのある警察関係者に相談したレベルではないだろうか。如何にも日大体質である。そして、「薬物に関する講習会」を行うことで、お茶を濁そうとしたとみられても仕方がない。
日大には、危機管理学部がある。こんな不祥事を起こし、こんな対応しかできない大学の危機管理学部で、一体何を学ぶのかと疑問に思った。
“日大は「教育的配慮」を語るな!” への2件のフィードバック
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まったくここに書かれてある通りだと思う。日大問題については、特に、理事長、学長、副学長のトップ3が行った会見には腹立たしい思いをしていたので、このブログを読んで、すっきりした。日大は「教育的配慮」という言葉で、引き続き不祥事を起こしている何とも言えないこの大学独特の体質をまたしてもごまかそうとしているが、実は「教育的配慮」という言葉をはき違えているのではないか。それが保育所・幼稚園のような小さな子どもたちが通う場所であろうと成人した大人が学ぶ大学であろうと、学府であるべき機関が「悪さ」を知りながら11日も12日も何の手立てもできず、警察の手が入って逮捕者を出してしまってから会見を開き、しかも、逆切れ会見とは、そして、ぬけぬけと「教育的配慮」という言葉を使うとは、片腹痛い。誰をかばっているのかは知らないが(私には学生を守るというより大学を守っているというようにしか考えられないが)、子どもたちや学生たちを正しい方向に導いてこそ、そして、間違ったときには、どうするべきかを直ちに導いてこそ「教育的配慮」であるはずだと考える。長い間放置して逮捕者を出してしまい、そのことについて、元検事の副学長が隠ぺいを隠ぺいするとは、情けない限りである。この大学で真面目に学んでいる学生が気の毒で仕方がない。
このブログが、メディアを通して日大に届けばよいと思う。-
ありがとうございます。こうやって、コメントをしていただいたのは初めてです。ホントに日大に届いてほしいですよね。
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