不登校の企業対応

,

 7月18日の読売新聞13面のくらし面に「不登校寄り添う休暇 親が取得 企業導入進む」という記事が掲載された。不登校の子どもを持つ社員を支援するため、休みや休業が取得できる制度を導入する企業が出始めているという。子どものケアと仕事の両立に悩む保護者が多くなっており、離職を考える親も多いという。社員の離職を防ぐために企業の対応が求められるというから大変だ。

 記事には、JR西日本、住友林業、日本総合研究所の取組が紹介されていた。その他にも中外製薬、バンダイナムコなどの取組も紹介されている。いずれにしても名の通った会社の取組だ。このような企業が不登校の子どもを持つ社員の対応をしなければならないという事は、もはや不登校問題は「学校問題」ではなく、深刻な「社会問題」であるという事だ。
 
 不登校支援に取り組むNPO法人「キーデザイン」が、4月~5月に不登校のこどもを持つ親1234人に実施したアンケート調査(インターネット)では、退職した母親が2割を占めたという。就労者の内、仕事を辞めたいと思ったことが「ある」と答えた人は、84%に上ったという。不登校の問題が、企業の生産性の問題に影響を及ぼしていると言えるだろう。

 昔(今でもそうだが)、親の介護の問題で離職するという事が問題になった。この問題を解決するために、多くの高齢者施設が建てられ、高齢者の介護の問題解決にあたってきた。そして今日本は、団塊ジュニア世代が65才以上となる2040年問題に直面しており、仕事をしながら家族等の介護をする現役世代は「ビジネスケアラー」と呼ばれるらしい。ところが、その現役世代は同時に育児も抱えている場合がある。そうなると、新たにクローズアップされてきたこの不登校問題は、企業にとってはさらなる大きな問題であり、ビジネスケアラーの問題とともに喫緊の課題となっている。

 不登校問題の解決は、現行の学校制度での解決は中々難しい。日本の学校制度では、学年・クラスというのが固定されており、クラスの席さえも固定されている。固定された人間関係の中で、自ら解決する術がない状況では、「逃げる」=不登校しかこどもにとって解決方法が無いのが現実だ。抜本的な解決には、日本の学校文化を根底から覆すしか方法はないだろう。いくら子どもの居場所を設けて、不登校への柔軟な対応をしても、次から次に不登校は産み出されてくる。

 少子化の中で、幼少期から過保護・過干渉に育てられた子どもが、学校に入学するといきなり集団生活を強いられるのだ。現代社会が抱える日本の病巣と言えるのが、不登校問題である。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Back to top