教員不足に関わる記事2本


 7月23日の読売新聞に教員不足に関わる興味深い記事が2本掲載されていた。一つは、25面の「教員免許取得 高専卒も 理数系知識 活用期待」である。もう一つは、26面の「教員離職 精神疾患1319人 人手不足 多忙感強く」という記事である。

 最初の記事は、理系人材の育成のために、高専の本科卒でも小中の教員免許取得に必要な基礎資格に加えるというもので、本科卒を短大卒と同等の扱いをするというものだ。この文科省の意図、果たしてうまくいくだろうか。確かに理系人材の育成は今後の重要なポイントである。日本の国力向上にとっても重要な要素だ。だが、高専に進学した学生が、果たして学校現場に立つだろうか。ものづくりに励みたいからわざわざ高専を選んだわけなのだから、そううまくいくとは思えない。
 また、学校現場は「ものづくり」の現場ではない。生徒や保護者とのコミュニケーションも極めて重要である。この人間関係に負担を感じて離職する教員も多いのが、今の学校現場であるのだから、なかなか高専から学校現場に立つ人間が出てくるとは想像できない。

 そのエビデンスとなる記事が26面の記事だ。精神疾患を理由に離職した公立小中高校の教員が2024年度に1319人で過去最高になったというのである。この調査が始まった09年以降、ほぼ毎回増加しているという。21年度の前回調査から39%も増えたというから、学校現場の疲弊度は相当なものである。

 24年度に定年以外で離職した公立小中高校の教員は、全体で15540人。
 転職→5080人
 家庭事情→3569人
 精神疾患→1319人(小学校801人、中学校365人、高校153人)
だという。全公立高校の8.8%に欠員が生じている上に、特別支援、日本語指導など特別の対応が求められるケースが増えており、多忙感が増しているのが原因だ。

 文科省はストレスチェックなどで不調の早期発見や相談体制の充実というが、そんな弥縫策で解決する問題ではないことは、社会の共通認識ではないだろうか。
 文科省は、教員不足、教員の働き方改革に関して、根本的な解決が求められていることは認識しているのだろうが、日本の低い文教予算の為、弥縫策しか打てないのだろう。


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