9月9日の各紙に、PISA結果が公表された。読売新聞には「学習3分野日本1位」の見出しが躍っていた。まずは文科省を初めとして教育関係者は安堵の面持ちだろうと思う。ただ、同じ読売新聞には、「世界の上位でも安心できない」という社説が掲載されている。どういうことだろうか?
記事を読んでいると、その理由がわかる。日本が上がったというよりは、世界が下がったのだ。OECDは、その要因について
★学習意欲や好奇心の低下
★長い文章をじっくり読む習慣が減り、理解する前に答えを急ぐ傾向
★SNSや生成AIの普及による注意力の分散
を挙げている。
日本の読解力の平均得点は503点で、OECD平均を42点上回っているが、日本の平均も前回より13点下がっているのである。明らかに、世界的にSNS、AI利用の影響が出ているという事だ。日本は、かろうじて踏みとどまったという事だろう。AIについてどのように教育現場で対応するか、そしてSNSをどこまで規制するかは、世界的な課題と言えるだろう。日本の政府機関も、この結果に安堵しているわけにはいかない。きちんとした対応が求められる。次期学習指導要領でも情報教育に力点が置かれており、AIへの取り組みが重視されている。果たして、次期学習指導要領はPISAの学習3分野に対応できるものになるのだろうか。
もう一つの懸念は、日本の成績を6段階に分けた習熟度別の最も下のレベル1以下が、全3分野で増加したという事だ。学力の2極化がここでもはっきりと出ている。この層は義務教育段階の基礎が身についていないレベルと言われている。読解力では18.6%、数学的応用力は16.1%、科学的応用力は11.3%がレベル1である。このレベルが増加していくと、学力の「底が抜ける」という事態になり兼ねない。
決して喜べない「学習3分野日本1位」である。

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