昨日、大崎市教育委員会から回答が返ってきたことは、ブログで紹介した。事故・ケガについての責任の所在については、保護者が記入する誓約書の中身を今後検討するという事、高校の働き方改革については、答える立場にないという事なので、古川工業高校を所轄する宮城県教育委員会に質問してみた。そうすると、その日の18時過ぎに返信があった。その内容を紹介したい。
Q1 どのような承諾書を交わそうとしているのか?
A 承諾書の内容の詳細については大崎市教育委員会で調整中と伺っています。実施まで時間があるので、保護者・生徒及び指導者(高校教員)のみの責任にならないよう、大崎市教育委員会と調整していきます。
Q2 高校の働き方改革について、逆行する取り組みと思われるがどうか?
A 県の部活動ガイドラインに基づき、古川工業高校で行われている部活動に中学生が参加する形で連携すると認識しています。また、古川工業高校では、趣旨に賛同し、地域に貢献したいと希望した教員が顧問を務める部活動のみ中学生を受け入れる予定です。
Q3 中学校の負担を高校に押し付けているだけではないか?
A 今回の連携は、休日の部活動地域移行に伴う中学生の受け皿の一つが高校の部活動となるため、高校の部活動の時間が増加するものではないと捉えております。Q2の重複になりますが、地域に貢献したい教員が顧問を務める部活動で中学生も指導するという認識です。
今回、御指摘いただいた内容については、今後、学校や大崎市教育委員会と共有し、実施に向けて調整を図って参ります。
宮城県教育庁保健体育安全課
1点目:承諾書の内容については、「保護者・生徒及び指導者(高校教員)のみの責任にならないよう、大崎市教育委員会と調整していきます。」という事で、詳細については分からない。想定されるのは、事故とケガであるが、監督責任はどこにあるというのだろうか。通常の部活動であるならば、学校の顧問にあるし、教員を指導監督する責任者として校長にある。保護者・生徒のみの責任にならないことは当然として、高校教員の責任以外にどこが責任を負うのだろうか。大崎市教育委員会だろうか?中学生の部活動実施日に、大崎市教育委員会の指導主事が活動場所に来るのだろうか。この点がよくわからない。
2点目:高校の働き方改革の問題である。県の部活動のガイドラインに沿って中学生が高校の部活動に参加するとのことだ。という事は、Q3についても書かれているように、「高校の部活動の時間が増加するものではない」のだろう。そうすると、高校生と中学生が同時に部活動を行うことになる。体が成長しきっていない中学生では、中一と中三の体力差は相当なものである。高校生と同一メニューで行うことはもちろんできないだろうし、指導者としては、通常の倍の練習メニューを考えなければならないことになるのではないか。これが負担増でなくて何であろう。
3点目:中学生を受け入れる高校の部活動は、「趣旨に賛同し、地域に貢献したいと希望した教員が顧問を務める部活動のみ中学生を受け入れる予定」であるという。結局は、高校側のボランティアではないか。部活動指導員のように報酬が出るわけではないようだ。これでは「ただ乗りの部活動の地域展開」に過ぎない。せめて、高校の顧問を部活動指導員と認定し、安価ながらも報酬を支払うべきだろう。こういう雇用関係については、一切報道されていないし、質問の回答の中にもなかった。一体どうするのだろうか。
さらに、「希望制」という事であるが、気になることがある。こんな高校の働き方改革に逆行するような内容を平気で覚書を交わすような校長である。校長の変な「リーダーシップ」で「希望制」を「半強制」にならないようにしてほしいと思う。
この大崎市と古川工業高校の覚書締結に関して、少なくない人からコメントを寄せていただいた。この場をかりて、お礼を申し上げたい。
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