ポイントはアウトソーシング

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 長野県塩尻市の洗馬小学校で、スポーツクラブでの水泳授業が始まったと、ネットニュースに掲載されていた。良い取り組みだ。先生にとってみれば、プールの掃除や慣れない水泳指導から解放されるし、児童にとっては、専門家から指導を受けることができる。児童からも高評価で
「雨とか寒くても気にせずできる」
「すごい上達した気がします。うれしいです。また次が楽しみです」
「きょう泳げるようになって水泳が好きになりました」
という感想が紹介されていた。

 プール指導の準備では、慣れない教員が操作を誤って、大量の水を無駄にしてしまったということが、あちこちの学校で発生している。つい最近も、大阪市の学校で2日間水を出しっぱなしにしてしまい、水道業者から、「通常の3倍の水道料が使われている」という指摘で、気づくということがあった。この水道代をだれが払うのかを協議しているという。確か、98万円だったと思うが、担当教員が賠償することになれば、とんでもない負担である。こういう事から解放されるので、そういった点からもスポーツクラブでの水泳授業はとても良いと思う。

 働き方改革のポイントは、アウトソーシングだ。この水泳授業のように、外部の専門家にアウトソーシングすることで、教員の負担は軽減されるし、子どもにとってはエキスパートから指導を受けることができる。今では、当たり前になっているスクールカウンセラーも考えようによっては、アウトソーシングだ。スクールソーシャルワーカーやスクール弁護士もアウトソーシングとして進めてほしい。

 さらに、民間の企業の中には、探究学習についての教育プログラムを開発しているところが多い。水泳授業と同じく、探究学習も教員にとっては負担が大きい。教科書が無いからだ。「0から1」を産み出さなければならない。探究学習とは、この「0から1」を産み出すことを目的し、そのことに喜びを感じる教育活動なのだが、なぜか教員にとっては負担感が大きい。実際、民間企業との協働作業で探究学習を進めることを経験すると、教員も様々なことを学ぶことになる。効果は大きい。

 ただし、アウトソーシングには財政的裏付けが必要である。ここに日本の貧弱な文教予算の問題がある。


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