私の勤めている職場は、大阪市のメインストリートである御堂筋と四ツ橋筋が合流する地点の近くにある。1月のある時、いつも通り出勤したら、歩道の横にある木々にプレートが掛けてあった。何かと思って読んでみると、「これらの樹木が道路上に放置されてあり、撤去しなさい」という趣旨が書かれてあった。職場の前の歩道の脇には、梅、南天、紅葉、ムクゲ、ランタナ、百日紅などがあり、都会の喧騒の中でも四季を楽しませてくれる。おそらく、近隣の住人が植えたのだろう。それぞれの木は、私よりも背が高く、年数がかなり立っていると思われる。
掲示板には、「道路法第43条第2号により、市民の皆様の迷惑になっています」と記載されているので、調べてみた。そうすると、
第四十三条 何人も道路に関し、左に掲げる行為をしてはならない。
一 みだりに道路を損傷し、又は汚損すること。
二 みだりに道路に土石、竹木等の物件をたい積し、その他道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞のある行為をすること。
と記載されている。確かに禁止されていると思うのだが、「市民の迷惑」にはなっていないと思うのだ。逆に住人や近所で働いている人、そして通行人の目を喜ばせているように思う。つい最近も、白梅が咲き始めた。この寒い中と思ったが、一時の3月下旬並みの暖かさで、「オッ!春やん!」と思い、急いで蕾を開いたのかもしれない。
大阪市も野暮なことをするものだ。今年の大河は「べらぼう」、江戸の文化を存分に見せてくれている。江戸っ子の生き方の一つが、「粋」である。今後、寛政の改革を断行した松平定信と蔦重の格闘が展開されていくと思うが、大阪市も定信同様、「野暮だね~」と言われないようにしてほしいものだ。
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