今年の漢字は、「金」で決まった。パリオリンピックの金メダルラッシュが輝く理由、自民党の裏金問題などが影の理由らしい。なるほどなと思いつつ、なんかベタだなという思いもある。そこで、私が選ぶなら何の漢字かを考えてみた。出勤途中に考えながら、行き着いた漢字が、「震」である。この漢字には、いろいろな意味が込められている。
まずは、1月1日に発生した能登地震である。あれから1年経とうというのに復興は中々進まない。この原因は、政府が復興にかける予算を予備費で行い、補正予算を組まなかった影響が大きい。予備費だと、その権限は政府にあり、現場の判断・決裁ができないため手続きがものすごく煩雑で時間がかかるのだという。補正予算なら、自治体に資金を与えるので、現場判断が早いのだ。政府の対応に大きな問題がある。
もう一つの「震」は、選挙である。アメリカの大統領選挙でトランプ氏の再選が決まった。この結果は、世界に様々な影響を与えている。その余波は、今後1月の就任後には大きな「震」となって、世界に影響を与えるだろう。そして、選挙と言えば、日本の自民党総裁選ー衆議院選挙の結果だ。まずは、自民党総裁選で、石破氏が逆転で高市氏を下した。これも自民党というコップの中の争いだが、一連の裏金疑惑に揺れ、自民党の派閥が解消された総裁選は、今までのように派閥のボスの戦いではなく、面白い様相を呈していた。今から振り返れば、後の衆議院選の結果よりは、小さい「震」だが、自民党を揺れ動かしたそれなりの「震」だったと思う。そして、衆議院選挙での与党の大敗だ。これは、政界に大きな激震をもたらした。また同時に、国民にも「自分の一票が政治に直結している」という「震」をもたらしたのではないか。この「震」が、政治参加という確信の「信」に成長してほしい。
そして、選挙と言えば、兵庫県知事選挙である。この選挙で、斎藤氏が知事に返り咲いた。あれほど、パワハラ・おねだりとマスコミが叩いたにも関わらず、SNSの力で逆転大勝利を得たのは、大きな「震」に違いない。それ以上に自信と信頼の「信」を失ったのは、マスコミだ。色々と言い訳がましいことを言っているが、あれだけ斎藤知事に対してネガティブ報道をしていたにも関わらず、一部でしか反省の弁が無いのは、どういうことか。反省の弁も出ないほど激震がマスコミに走ったのかと思う。マスコミにとっては、早く忘れてしまいたい「震」だ。都知事選の石丸現象と同じく、SNSは世の中に大きな「震」をもたらした。
そして、12月、年末になって、国際情勢にも大きい「震」があった。韓国大統領の「殿、乱心」の非常戒厳とその後の政界の「震」は今も続いている。また、シリアのアサド政権崩壊も、中東情勢に不安定さをもたらす「震」だ。さらに、フランス少数与党内閣の不信任可決、ドイツ連立政権も西側諸国の不安定さをもたらす「震」である。これにトランプ大統領の就任が「震」として伝わり、果たして「振幅」の大きさはどうなるのだろう。
もうすぐ、2024年も終わる。来年は、阪神淡路大震災30年、太平洋戦争終結80年の年である。果たして、どんな「震」が起こるのだろうか。できれば「震」ではなく「信」とか「親」であってほしいと思う。
コメントを残す