地域再生に教育を!

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 7月5日、今朝の7時からのNHKニュースで、教育で地域を活性化する取り組みが紹介されていた。時間が無かったのでNHK+で見てみると、「なるほど」という取り組みだ。一番感心したのは、北海道の鹿追町の鹿追高校支援の取り組みである。鹿追高校は道立の学校であるが、鹿追町から多額の支援を受けているのだ。カナダ留学をウリにしており、町内に寮を建設している。町から高校を消さない、そして高校生を呼び込む努力をしているのだ。
 鹿追町の年間予算は75億円。そのうち高校に対して1億5千万円の支援をしている。町内の公共事業を削って資金を捻出しているのだ。大阪府の感覚では信じられないことである。私が住んでいる大阪府河内長野市にも2校の府立高校があった。大阪府立長野北高校と長野高校である。残念ながら長野北高校は3年連続定員割れとなってしまい、廃校となった。長野高校も定員割れを起こしている。だからと言って、河内長野市が市の予算で長野高校を支援しているわけではない。この鹿追町の高校支援はすごいと思う。鹿追高校の高校生は卒業後に鹿追町に留まるわけではなく、多くの生徒は町外に行く。それでも高校を残すために、そして志願者を増やすために、町が教育予算をひねり出していることには、頭が下がる。

 大阪府では、地域再生に教育を活用する取り組みは、それほど活発ではない。大阪府が狭い自治体であることも影響しているだろうし、何よりも都市部であることが一番影響しているだろう。しかし、私が住んでいる河内長野市は、府内で一番高齢化が進み、消滅都市に指定された。つい最近、市長選があり、無投票で市長が選ばれた。マニュフェストを読んでみると、どうも教育についての政策が弱いようにも思う。やはり、人を呼び込むためには、子育て環境、教育環境の整備と共に、特色ある教育が必要ではないかと思う。大阪府のどこにもない特色ある教育を、河内長野市で行われているとなれば、大阪市内まで30分そこそこで行ける河内長野市に人は集まるのではないかと思うのだ。この件については、また別の機会に述べたいと思う。

 こんな思いを持ちながら、地域再生についておもしろい本を買った。日本経済新聞出版の「新データで読む地域再生」である。これを読んでみると、大阪府はパッとしない。それどころか、「まるであかんやん!」ということも見えてくる。鹿追町は町の再生を鹿追高校にかけた。高校生が介護施設でアルバイトを行い、人材確保にも貢献しているようだ。やはり、教育で地域を再生するような尖った取り組みが必要な時代になったのではないか。


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