「学びの復興 道半ば」読売新聞

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 2月1日で北陸・能登地震から1か月が過ぎた。マスコミもこぞって、この1か月の様子を伝えている。昨夜のNHKのニュースでは、妻と子ども3人を亡くした大間さんへのインタビューが放映されていたが、涙なしでは聞けなかった。「お風呂に入っていても・・・」と声を詰まらせ涙を流す大間さん。「長男・次男とよく一緒にお風呂に入っていたので・・・」と語る。何の前触れもなく、一瞬に家族の日常が崩壊してしまった苦しみは、想像することはなかなか難しい。私も長男を自死で失った。長男が勤める千葉の会社まで新幹線で一人迎えに行ったときに、窓の外の景色を見ているようで見ていない。何回も自然と涙が出て、泣いている自分がいた。あれから13年経つ。未だに、長男が亡くなった11月19日が近づくと、心臓がギュッとなったり、呼吸が早くなる。私の誕生日11月21日は、長男の葬儀の日だった。能登の人たちも1月1日は、愛する肉親や知人を失った日となってしまう。本当につらい。
 
 さて、集団避難した能登の中学生の記事が2月2日の読売新聞の3面に大きく出ていた。それが「学びの復興 道半ば」だ。阪神淡路大震災や熊本地震と比べても、インフラの復興がかなり遅れている。特に水道の復旧が遅れているため、学校の再開にはかなり支障をきたすだろう。記事には、集団避難した生徒の負担や心の問題が取り上げられていた。自ら積極的に望んで行ったわけでもない集団避難で、慣れない生活を強いられる生徒は、ストレスをかなり感じているだろう。疲れも出るころだ。十分な心身のケアが求められる。ただ、記事を読んで思うことは、「負担に感じている生徒もいるだろうが、多数ではないだろう」ということだ。頑張っている生徒も多数いると思う。何とか踏ん張っている生徒もいるだろう。前を向いている生徒たちの姿も報道してほしかった。
 記事を読んで、一番に不安を感じるのは、保護者だ。「我が子は大丈夫だろうか・・・」と不安になる。ついつい、子どもに連絡を取り、「大丈夫なの?困っていない?」と言ってしまう。親心としては当然だが、その一言が子どもも気持ちを後ろ向きにしてしまうこともある。「連絡の無いことは良い知らせ」と考え、大人は大人で前を向くということも大事だ。子どもにとっても、親が頑張っている姿は、勇気をもらえる。元気に前を向いている生徒たちの姿も、記事にしてほしいと思う。


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