読売新聞「これからの高校」


 現在、読売新聞の教育欄では、「『これからの高校』第2部中高大の接続」が連載されている。第1回は高大の連携が紹介されていたが、いかにも中小大学の生き残りをかけた系列校の取り込みのような実践だったので、取り上げるに値しないと思い、コメントしなかった。

 6月16日の第三回は探究学習がテーマであった。紹介されているのは、いずれも私立高校の芝浦工業大学付属中学高校と静岡サレジオ幼・小・中・高校である。
 芝浦工業大学付属中学高校の探究活動は、「理工系の知識で社会課題を解決する」ことを目標としており、照会されていた生徒の取組は、広告に対する探究だった。「センサリーデザイン」という初めて聞いた言葉も紹介されており、面白く読んだ。ただ、現在議論されつつある探究学習は、「社会課題を解決する」というのみ事を目的にすべきかという事だ。例えば、文学や芸術を探究することもありうるだろう。源氏物語に興味を持った生徒が、源氏物語を探求し、平安女流文学やその歴史的背景を探究しても良いだろう。もう少し、探究を社会課題に限定することなく、幅広く設定しても良いのではないかと思う。

 静岡サレジオ幼・小・中・高校は、22年に国際バカロレアの認定校になった。「世界史探究」の授業でイスラム教を理解するために、大学院で学ぶインドネシア人留学生を授業に招いたことをきっかけに、現地のイスラム教学校との交流が実現したという。さすが国際バカロレアである。このような取組も同教育の大きな分野だ。

 記事の横には「大学年内入試の影響も」と記事が書かれていた。総合型選抜や学校推薦型選抜を利用するために、探究学習に取り組む傾向があるという。ただ、「早稲田塾」の中川氏が「受験のみを目的とした探究活動は大学側に見透かされ、合格につながらない」と指摘している。当然だろう。そんなレベルの低い探究学習など、長年大学で研究(探究)をしてきた大学教員からすれば、すぐに見破られる。受験のための探究などもってのほかである。

 あくまでも探究学習の成果の先に受験があるのだ。


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