7月4日の読売新聞の25面に、「校外活動点検状況調査 辺野古事故受け安全確保策など」という見出しの記事が掲載されていた。見出しのとおり、同志社国際高校の辺野古での研修旅行中の事故を受けた全国調査である。調査対象は、全国の国公私立学校、教育委員会、私立学校を設置する学校法人である。すなわち、学校とその設置者全てということになる。
調査項目は、
=学校=
①危機管理マニュアルの点検や改定の有無
②事前の実地調査や引率体制の整備、関係者への信用度調査の状況
③政治的中立性の確認、自己点検状況
=教育委員会など=
①学校への危機管理マニュアル点検指示
②学校作成の活動計画をチェックしたか
③政治的中立性の確認状況
調査項目を見てわかるように、今回の調査のポイントは、安全管理と政治的中立性である。まずは、安全管理についてである。調査項目に関しては、公立学校は危機管理マニュアルも毎年点検しているし、教育委員会にも報告をしている。だから、この文科省の調査についても何ら問題が無いだろう。もし、公立学校で問題が発見されれば、その教育委員会、学校は余程な状況であると言わざるを得ない。
国立行政法人はどうだろうか。この点については、万全だとは言えない。私が赴任した附属中学校も最初に行ったのは、附属学校と大学との規則作りだった。設立されて30年ほど経っていたが、大学の附属学校の管理、指導、報告などは十分でなかったのだからビックリである。元々、大学は附属学校を研究対象にウェイトを置いているので、管理監督という面からすると、設置者としての責任に疎い面がある。自分の研究以外にあまり関心が無いのが実情だ。このような危機管理マニュアルが不十分な国立行政法人もあるかもしれない。
問題は私立学校だろう。私立学校の監督は、知事部局となっており、教育委員会事務局の指導主事が関与することは少ない。まったく無いところもある。そうすると、どうしても行政指導が十分ではない私立学校も存在する。今回の同志社国際高校はまさにそのような学校と学校法人であった。全国に同様のケースが多数とは言わないが、少なからずあるのではないか。
次に政治的中立性の調査である。これについては、公立学校では通知は受け取るが調査を受けたという記憶が無い。今回の教育基本法違反というのも法律制定以来初の認定であるので、どこの学校も調査を受けたことが無いのではないか。公立学校の教員は、政治的中立性については十分認識していると思うが、果たして私立学校はどうだろう。調査項目の詳しい内容がわからないので、何とも言いようがないが、調査結果に注目したい。
もし、政治的中立性について問題のあるような事象が出てくれば、これは大変なことになる。調査報告なので学校や設置者による自己申告となる。文科省は調査結果を公表すべきだろう。そのことにより、日頃から違和感や問題意識を持っていた生徒、保護者も報告の嘘や問題点を指摘できる。今回の同志社国際高校に関しても宿泊行事以外の日頃の授業での違和感を告発する情報が生徒から発せられている。文科省は調査結果の詳細を公表してほしい。
ただ、今回の調査を受けて、左派政党、左派組織は「萎縮を助長する」と騒ぐだろう。何を委縮するというのだろうか。多面的・多角的に政治教育を行えばよいだけの事である。自らの偏った主張で教育を行い、政治的中立性を損なうような教育を行っているのなら、そのような教育はどんどん委縮してもらわなければ困る。この調査に異を唱えたり、反対の意思表示をする団体は、政治的中立性に抵触していますよと自ら告白しているようなものだ。

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