教育新聞8月3日セミナー参加

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 8月3日に教育新聞主催の夏季セミナーに参加した。ウェビナー形式のセミナーで200名を超える教育関係者が参加したというので、それなりに注目度高いセミナーだったと言える。テーマが「次期学習指導要領の改訂で、学校現場はどうなるのか?」という内容だ。中教審での議論もほぼ終了し、今後は答申に向けた動きになるので、注目度も高いのは当然だ。

 今回の中教審の柱は3本である。
❶深い学びの実相
❷多様性の包摂
❸調整時数制度の導入
である。今回のセミナーは約1時間だったが、そのほとんどが❸調整時数制度についての議論に費やされた。ファシリテーターは、ベネッセの庄司氏、コメンテイターは、昨年度まで小学校教諭をしており、現在はE3HABITの二川氏、そして教育新聞社の記者で学習指導要領担当の藤井氏である。

上の図で示されたのが、調整授業時数制度の仕組みの概略である。教科B、教科Cの最大15%を削減し、教科Aに上乗せしたり、また新教科を新設したりできる。それとは別に「裁量的な時間」として、ア児童生徒学習枠、イ教師の研究・研修枠が設定される。
 二川氏からは、「イ教師の研究・研修枠が設定できるのは素晴らしい。大賛成だ」という意見が述べられた。私も基本的には賛成だ。教師の働き方改革を進めるうえで、このような研究・研修枠が設けられることは極めて重要になる。全国の教育委員会も「研究・研修枠を設けることが望ましい」という見解を示せば、学校現場も導入しやすくなるだろう。

 そこで庄司氏から出された問題提起が、「『どの教科を削減するのか』『削減されたことで、学力は下がらないのか』『学校間の学力格差が生まれるのではないか』という保護者等からの問題提起が出されるのではないか」という事である。教師の研究・研修時間が設定されたことで、PISA調査や全国学力学習調査の結果が下がりましたという事では、保護者の理解も得られない。

 これに対して、二川氏から「そもそも学力とは何か、格差とは何かという事だと思う」という意見が出された。確かに原則論からすればその理屈は成り立つ。しかし、義務教育である小中学校で、校区の保護者にこのような理屈が通用するだろうかという事だ。
 更に、この調整授業時数制度をどのように駆使するかという面では、校長はもとより教頭、教務主任、ミドルリーダーの力量が相当問われる。得てして校長は自分の理想とする(独りよがりの場合も多い)教育を実践するために、教員そして保護者(児童・生徒)の要望を軽視して学校経営を行うことが多い。そして、麹町中学校のように学校が混乱するのである。

 この調整授業時数制度についても同じようなことが発生するのではないか。そこで重要なのは、コミュニティスクールの発想である。地域の学校、保護者や地域住民と共に学校経営を行うという発想である。地域住民が学力の向上を望んでいるのに、一方的に研究・研修の「裁量的な時間」のみを設定すれば、保護者・地域住民の反発を招くだろう。調整授業時数制度をどのように活用すべきなのか。学校運営協議会での協議や、保護者の意向をくみ取る調査の実施などが重要なのではないだろうか。そのためにも、教員の勤務実態、児童・生徒の学力状況、不登校などの多様な児童・生徒の実態などの情報を丁寧に提供することが求められる。

 セミナーでも言われたように、この制度をどのように活用するのかの議論は、1年後の2027年夏には始めなければならない。ゆっくり考えられるのは今なのだ。


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