不登校の世界事情


 8月4日の朝日新聞の教育欄に「不登校、各国で増加 それぞれの対策は」という見出しで記事が掲載された。OECD35か国、45の制度の分析結果である。各国で不登校の定義がかなり違い、どの国が多いかというようなことは比較検討できないが、どの国もコロナ禍後に増えているという。

 記事を読んで興味を惹かれたのは、英国ウェールズの取組だ。政府資金で家庭と学校をつなぐ専門官を置き、各家庭に合わせた支援を行うという。OECDの教育・スキル局のルーシー・チェルナ上級分析官は、「家庭との緊密な繫がりや支援の提供はとても重要」と指摘する。

 この制度は、日本にはない。家庭支援に取り組む教育制度はOECD35か国の半数にあったという。報告書によれば、家庭に焦点を当てた支援は出席率向上に効果があるという。日本では、不登校への対応の多くは、SCが担うことが多い。SCは、当たり前のことだが心理的サポートに重点が置かれている。この取り組みも重要だが、それだけではなく家庭への支援をどのようにするのかを考える専門官の配置も大事だろう。英国の取組を研究することが重要である。

 次期学習指導要領では、多様性の包摂が謳われ、不登校の児童・生徒への対応が求められる。不登校の子どもごとに学習計画を作り、評価できる仕組みも新設されるという。これらの作業が、教師のみに課せられたなら、相当な負担になるだろう。これまでも特性がある子どもへの個別支援計画の作成なども行われているのだ。この面からも英国の実践はとても参考になるのではないだろうか。

 文科省の政策立案に期待したい。


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