偽りの「平和学習」

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産経新聞取材班が発刊した『偽りの「平和学習」 沖縄・辺野古沖転覆事故の深層』を読んだ。この本は、同志社国際高校の沖縄研修旅行において、辺野古基地を海上から見学するコースで発生した転覆事故を取材した記者が、7月末頃までの内容をまとめたものだ。新聞記事も引用されているが、取材で見えてきた深層がよりリアルに描かれている。

とにかく、この事故・事件の扱いには異常さを覚えた。抗議船の転覆と、知華さんおよび金井船長の死亡の一報は各紙が取り上げたが、その後継続してこの事件・事故を追ったのは産経新聞だけという状況だった。同時期に起こった「京都府南丹市小5男児行方不明事件」は連日各社が報道を繰り返したにもかかわらず、研修旅行中に高校生が亡くなったという大事件であるにもかかわらず、産経新聞以外はピタッと報道しなくなったのだ。事故を起こした船が辺野古基地反対協議会の関係者であることが影響しているのは明らかであり、オールドメディアの姿勢に対して「偏向報道」との批判が出ても仕方のない状況だった。

事件が大きく動いたのは、遺族が始めたnoteによる発信がきっかけだった。知華さんに対する誤解を解くために始められた発信だが、今や真相究明のための重要な手段となっている。産経新聞を除けばあまり重要視されていないかもしれないが、この同志社国際高校の沖縄研修中の事故は、単なる転覆事故にとどまらず、教育上極めて重大な課題を投げかけている。それは、安全管理義務違反と偏向教育という問題にほかならない。安全管理義務違反については、学校法人が設置した第三者委員会が明らかにした通り、あまりにも杜撰な状況だった。私も報告書を読んだが、同じ教育関係者として信じがたい実態であった。

偏向教育については、教育基本法制定以来はじめて文科省が問題視(※または「不適切と認定」など)する事態となった。これに対し、朝日新聞や毎日新聞が「平和教育の萎縮につながる」とキャンペーンを張ったのは、まさに大手メディアの体質を象徴していると言えよう。偏向した平和教育であれば萎縮して当然なのだ。現在、大学には調査委員会が設置されて調査が進められており、文科省も全国の国公私立学校に対し、研修旅行に関する調査を実施している。まもなくその調査結果が発表されるはずだ。

それにしても、この事件は私立学校、とりわけプロテスタント系の私立学校が抱える構造的な問題を浮き彫りにした。私立学校法に守られ、行政の目が届きにくい環境の中で、偏向教育が行われてきたのではないかと指摘されている。私学助成や高校授業料無償化に伴い、現在では莫大な税金が私立学校に投入されている。この事件を契機に、私立学校法を見直し、私立学校の公的側面をもっと重視すべきではないか。管理監督官庁である都道府県の指導を公立学校並みに厳格化し、不適切な教育や不祥事を起こした学校に対しては、教育界からの退場も含め、税金投入の打ち切りを検討すべきだと強く考える。


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