6月22日の朝日新聞のトップは「平和教育広がる萎縮」「沖縄見学 複数の学校から『基地外して』」である。Facebookを見ていると、この記事に「それ見たことか!」と文科省の教育基本法違反見解に対して、反対の意思を示す人の投稿がこの記事の写真と共にされていた。これが朝日新聞のやり方だ。以下、滝口記者が書いた記事を検証したい。
まず、記事の冒頭に次のような文章がある。
「『沖縄戦に特化した内容にしてほしい』沖縄で平和学習の案内をする会社に最近、複数の学校からこうした要望が寄せられている。」
この会社はこれまで沖縄戦と共に、米軍基地の視察を学習コースに組み入れてきたが、この米軍基地視察をコースから外す要望が複数あるというのである。この記事を読んで、何も考えなければ、「えーそうなの?」と素直に思うだろう。だが、天下の朝日新聞としては、ずさんな記事である。ずさんさは次の2点
●会社がどこの会社なのか明らかにされていない。取材元を明らかにしないでほしいという要望があったのかもしれないが、そんな会社の情報を用いて良いのか。
●また、複数の学校から要望があったというのが、それがどの程度の割合なのか、具体的な数値を明示していない。これでは「広がる萎縮」の根拠があやふやだ。極端な話、100校のうち、2校の要望があっても「複数の要望」と書ける。「広がる」という限り具体的な根拠を明示すべきだろう。
もう一つの例として、東日本の公立高校の例が示されている。部活動の一環で生徒たちと辺野古の工事現場を陸上から見た様子をXに投稿した写真に関して、地元議員が教育委員会に調査を依頼したという例である。依頼する議員からすれば、同志社国際高校と同じく教育の中立性違反が無いのかと思うのは当然の事である。無いなら無いできちんと応えれば良いだけの話だ。これを委縮に結び付けて記事にするのが、如何にも朝日新聞らしい。
明確な根拠を示さず、「広がる」印象を植え付け、地方議員の要望の一つの例をまるでそんなことが多発しているように見せかける記事を書く。この2つの内容は、印象操作にほかならない。
2面には、この記事の続きがあり、沖縄での平和教育の実践が掲載されている。その実践に対してはまったく異論はないし、ヒロシマ・ナガサキでしか学べない平和教育があるように、沖縄でしか学べない平和教育があり、記事で紹介されている平和教育はとても重要な内容だ。問題は、このような記事をわざわざ「萎縮」と合わせて掲載することにより、「文科省が、平和教育を委縮させようとしている」と印象操作しているという点だ。
同志社国際高校の中立性違反に賛同する誰しもが、平和教育を否定していない。多面的多角的視点の重要性を指摘しているのだ。それも違法行為をする金井船長まで生徒の前に登壇させる学校の体質を批判しているのである。これが、政治的中立性に反していないと言えるだろうか。文科省もここまでひどいケースは無いと考えて、見解を示しているのである。
朝日新聞は、いつもこのようなやり方をする。靖国神社の公式参拝についても、まずは朝日新聞が問題視するのだ。それを見た中国が「問題だ!」と騒ぎだす。それをまた朝日新聞が取り上げ、「中国が反発している。問題だ」と騒ぐのだ。
今回もヘリ基地反対協議会の様々な問題は取り上げず、事故発生後は沈黙を守ったままであるにもかかわらず、文科省の見解が発表されたとたんに「平和教育が萎縮する」と騒ぎ始める。そして、それを受けた一部の団体、ジャーナリスト、教職員団体が「萎縮する」と騒ぎ始めると、「萎縮拡大」と報じる。実際、萎縮がどこまで進んでいるのかというエビデンスを示さずにである。
これが、朝日新聞の卑劣なやり方なのだ。

コメントを残す