文部科学省は16日、小学6年生と中学3年生を対象に今年4月~5月に実施した全国学力テストの平均正答率を公表した。その結果、課題として挙がったのが、思考力や表現力を問う問題への理解度である。
知識を問う問題に比べて思考力・表現力を測る問題の正答率は、
小学校算数→14.7ポイント減
中学校数学→23.7ポイント減
である。更に、中学校数学の、文字式やグラフなどを用いて数学的に数値の求め方を説明する問題では、生徒の39%が無解答だったという。要するに、思考する深い学びができていない児童・生徒が多いという事だ。詳細な分析が必要である。
以下仮説を述べてみたい。
原因の一つは、スマホの利用時間の増加である。この間、児童・生徒のスマホの利用時間が増加している。逆に家庭学習・読書の時間が減少しているのだ。SNSのやり取りでも、短文でのやり取りが行われ、短絡的な思考が行われる。こういう状況では、脳が深い学びのトレーニングがされていない。
もう一つの原因はデジタル教材だ。例えば、空間図形を理解しようとするとき、デジタル教材は紙に比べて理解しやすい。空間を視覚的に捉えられるからである。この点についてデジタル教材は優位である。ただ、理解しやすいという事は、「分かったつもり」になりやすいという事だ。「主体的・対話的で深い学び」においては、常に「深い学び」が課題に挙げられる。「分かったつもり」も相手に説明しようとしたり、相手の説明を聞いて自分の理解との違いを覚えたりすることで、「分かったつもり」になっている脳が揺さぶられるのである。この「揺れ」が更なる深い学びを呼び起こすのである。
デジタル教材は、確かに理解を促進する。しかし、そこで留まっていては深い学びに結び付かないのだ。
果たして、文科省はこの要因をどのように分析し、今後の学習に反映するのか。デジタル教科書の問題は、大きく影響を与えると思われる。この全国学力テストの分析は、非常に重要だ。

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