内閣改造を受けて9月18日に新しく文部科学大臣に任命された関文科大臣の就任記者会見が行われた。関氏は教育畑ではなく、どちらかと言えば経済分野に精通しており、経済産業省とのつながりが強い。そのような関氏が初めての記者会見で何を語るのかを注視したく動画を試聴した。動画は以下のURLから視聴できる。
https://www.youtube.com/watch?v=ugGUObo-yvw
全体を通して言えるのは、事前提出された記者からの質問に対し、官僚が用意したと思われる回答文を読み上げている印象が強かった点だ。無難ではあるものの物足りなさが残り、記者の質問内容自体にも疑問が残る会見であった。記者からの質問は以下の通りだ。
〇子どもの学びにおける情報技術の活用、およびデジタル教科書に関する見解
〇旧統一教会との関係性および宗教行政への関わり方
〇学校教育の意義、印象に残っている教師とのエピソード、教職の魅力向上に向けた取組と教職員へのメッセージ
〇原子力分野やフュージョンエネルギーに関する研究開発推進への意気込み
〇奨学金の返済負担増加を踏まえた若者への支援方針
〇内閣改造時のアンケート回答内容および任命に関する自己分析
〇同志社国際高校への「政治的中立性」違反判断に関する見解と、偏った平和教育の是正に向けた取組方針
〇政治資金収支報告書への不記載に関する説明と、文部科学大臣に求められる資質
〇「科学の再興」に向けた取組方針および力を入れたい科学技術政策分野
この質問項目を見て違和感を抱かないだろうか。深刻な「教員不足」や「教員の働き方改革」に関する質問が一つもないのだ。大臣自らの口から言及されることもなかった。今、全国の学校で教員不足が深刻化しているのは周知の事実である。質の確保が不十分な実態もあり、東京都では教員が生徒と犯罪行為に及ぶ事案まで発生した。盗撮や性被害の報道も後を絶たない。現場で精一杯頑張っている教員が圧倒的多数であると信じているが、その教員たちも疲労困憊の状況にある。
教育現場は静かに崩壊へ向かっており、このままでは山体崩壊のような突発的かつ決定的な崩壊を引き起こしかねない。そうさせないために、文科省は教員不足の解決を急ぐ必要がある。文科省も様々な手を打ってはいるが、そのいずれもが弥縫策(一時逃れ)にとどまっている。
根本的な解決策は、学校現場の「人員増」だ。具体的には、教員定数の増加や、スクールカウンセラー(SC)、スクールソーシャルワーカー(SSW)、スクールロイヤー(SL)といった専門人材の増員・投入である。こうした抜本的な改革を行わない限り、教員不足は解消しない。
残念ながら、今回の記者会見では教員の働き方改革に関する質問はなされず、新大臣からの言及もなかった。教員の働き方改革は、もはやメディアや政府にとって関心外のテーマになってしまったのだろうか。決してそうではないはずだ。給与面の改善策を講じても教員採用試験の倍率は底打ちしておらず、教員不足の解消には貢献していない。まさに失策と言わざるを得ないだろう。

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