対話型AI


「AI、AI」と、連日のようにAIが日常生活に入り込んでいる。子育ての現場にもAIが波及しているという記事を目にした。10月4日付の読売新聞「あすへの考」に掲載された慶応大学言語文化研究所の川原繁人教授による寄稿である。氏によると、2024年に気になるニュースが飛び込んできたという。国内のロボット事業会社と通信教育大手が、年少児(3~4歳)の「言葉の豊かさ」を育むため、キャラクターと音声で会話できる対話型生成AI搭載のアプリを共同開発したというものだ。

教授は咄嗟に「幼児に『おしゃべりAI』を与えてはいけない」と感じたという。言語発達への影響や依存性の議論すら深まっていない段階で子どもに与えるのは、まさに「人体実験」に等しいというのだ。
氏がそこまで警鐘を鳴らすのは、AIと人間では言語を習得するプロセスが根本的に異なるからだ。AIが出力するのは学習した「書き言葉」であり、人間の生の「話し言葉」とは異なっている。

養育者の語りかけには、次のような特徴があるという。
▽声が高い
▽話す速度がゆっくり
▽オノマトペが多い
▽文が短め
▽問いかけが多い
▽感情がこもる
▽体に触れながら話す
▽子どもの反応に即して発言を促す

赤ちゃんの脳は、こうした養育者からの語りかけを「ご褒美」と感じ、それが言語獲得の大きな動機になっているそうだ。これには思わず「なるほど」と深く納得させられた。

しかし現実には、生成AI以前の問題として、幼い子どもにスマートフォンを持たせて「子守」をさせている親がいかに多いことか。電車の中でもそのような光景を頻繁に見かける。そうして育った子どもたちが、そのままスマホ依存症になっていくのだろう。
昨日も雨のバス停で、ひたすらスマホ画面を見つめ、席を詰めようともしない子どもを見かけた。仕方なくその子の前を通り抜けて奥の椅子に座ったが、こちらを気にするそぶりすら見せず、ずっとスマホに没頭している。

こうした子どもたちがそのまま大人になっていくと思うと、21世紀の社会はどうなってしまうのか。近未来は暗澹たる「ディストピア」になってしまうのではないかと、強い危惧を抱かずにはいられない。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

トップへ戻る