力点はデジタル化か?

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 今回のPISA結果で、北欧3国の平均得点が低下しているという記事が読売新聞に掲載されている。そこで、記事も参考にしながら、北欧3国の2022年度結果と2025年結果を調べてみた。それが下の表だ。

 フィンランドは、一時期PISA結果が世界1位になり、フィンランドの教育が注目された。しかし、今は見る影もない。北欧3国とも教育のデジタル化を進め、その先進国と言われてきたが、デジタル化を進めた結果、PISA結果が後退するという結果になってしまった。

 日本では、「周回遅れ」と言われる教育のDX化を急速に進めようとしている。次期学習指導要領に関しても小学校段階から情報教育に時間を割き、力を注ごうとしている。果たしてその方向は正しいのだろうか。確かに、DX化は必要だろう。しかし、本当に力点を置かなければならないのは、全ての学力の根底にある読解力ではないだろうか。学校でDX化を進めていけば、子どもたちは、24時間デジタルの世界に浸ることになる。せめて学校では、本を読み、長文を理解する時間を増やすことが大事ではないか。

 今回の調査結果で、注目されたことがあった。「読みの流暢性」である。語句とテキストを速やかに正確に読む設問である。例えば、次のような文だ。
〇窓が大きな声で歌った。
〇男性は車を運転してその店へ向かった。
〇飛行機は犬でできています。
〇六羽の鳥が森の上を飛んでいた。
いずれも一瞬で正否がわかる短文である。その成果率が、18年と22年では92%~93%であったにも関わらず、25年では89.9%に下がったという。統計学的に「有意な低下」と分析されている。こんな文を間違うのだろうかという内容だ。こんな程度の読解力しかなければ、AIが出した結論の真偽を判断することなんか到底できない。

読売新聞には国立情報学研究所の新井教授のコメントを載せている。それが次のコメントだ。非常に重要な示唆に富んでいる。

「低得点層の増加は日本の教育への明確な警告だろう。AIが出力した情報の真偽を判断するには、文章を正確に読み、根拠を理解する力が欠かせない。安易にデジタル化を進めるのではなく、学習の基盤となる読解力や数学力を含む基礎的な力を十分に培う必要がある。」

力点を置くのはデジタル化か?本当にそれでいいのか?読解力ではないのか?


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