部活動支援-大学生に期待

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 4月5日の読売新聞の30面に「部活動支援 大学生に期待」「公立中『地域展開』受け皿不足」というタイトルで記事が掲載されていた。兵庫県三田市の公立中学校での取り組みだ。大阪音大と関西学院大の学生が吹奏楽部を指導しているという内容である。この活動を支えているのが、神戸大学の4年生の森下さんである。森下さんは、株式会社「Plastruclub」を立ち上げ、公立中の部活動展開を支えているという内容だ。また、大阪体育大学が徳島県海陽町の部活動展開を支えている記事も紹介されていた。

 このような記事を読むにつれ、私が兵庫教育大学附属中学校(以下、附属中学校)で主張したことは間違っていなかったとその度に思う。附属中学校が働き方改革を始めたのは、外部圧力による。労働基準監督署から勤務に関する是正勧告を受けたからである。長期に及び超過勤務に対する残業手当が支給されていなかったことに関する是正勧告であった。大学当局は、確認できる残業手当に対して補償を行ったが、その後は附属中学校への時短を迫ることとなった。私は、附属中学校の校長として、決して教員は無駄な働きをしているという立場はとらなかった。日々、先生方と一緒に仕事をする中で、生徒対応、保護者対応等、非常に丁寧にかつ熱心に仕事をされ、このような教職員が存在するからこそ、小さなトラブルも大きなトラブルにはならず、日々の業務が維持されていると思っていたからだ。このような先生方の働きぶりを、大学から派遣されている事務職員も大きく評価していた。

 だが、大学は「もっと時短ができるはず」ということで個別教員に面談を重ねることで、時短を迫っていた。私は、大学に以下のように主張した。

銀行が3時に閉まるのは、その日の1日の業務の整理、明日の業務の準備をするためである。学校の教員も6時間目の授業が終わり、清掃活動が終了すれば、今日の様々な出来事を共有し、そしてすぐさま対応しなければならない場合は会議を行ったうえで、保護者連絡を行い対応する。そして、それが済めば翌日の授業や会議の準備をしなければならない。これができれば、教員は定時もしくは超過勤務時間が1時間以内に帰宅できるだろう。
だが、実際はそうはなっていない。中学校は授業終了後に部活動がある。部活動が終了して生徒が下校する時間が勤務時間の終了である。教員はそれから1日の整理と翌日の準備をしなければならない。ましてや附属中学校は研究機関の学校である。通常の学校業務以上に研究という分野が追加されるのだ。
このことを解決するためには、放課後の部活動を部活動指導員に委ねることである。これが働き方改革の根幹のひとつである。ところが、この部活動の改革については、致命的な欠陥があり、現在も多くの自治体で苦慮していることがある。部活動指導員にしろ、地域展開にしろ、人材確保が決定的な問題なのだ。そこで、私は大学に提案をした。大学生を部活動指導員として附属中学校に派遣することはできないだろうかということだ。もし、附属中学校でこのモデルがうまくいけば、地元加東市や北播地区に拡大することができる。他の地域にはない資源-教育系大学を有効利用することができるのだ。
このモデルは、大学生にとっても有益である。教職をめざす大学生にとって、在学時代から指導の機会を得ることができるからだ。

以上の事を大学に提案したが、大学は本当に後ろ向きだった。部活動指導員で中学生を相手に経験を積む意欲があるような学生も極めて少ないし、そのような制度を設けることにも後ろ向きだった。そして、時短だけは教員に強要するのだ。これが教員養成系大学かと失望していた時に、学長からの早期辞職の「お願い」という宣告である。私は即座に「辞めます」と返事をした。
今、附属中学校の部活動はどうなっているのだろうか。今も教員が指導しているとしたら、私がいた時代から一向に変わっていない。

部活動の地域展開が今年から大きく進もうとしている。大学は一つの大きな資源である。各地にある大学が地域と共にあろうとするとき、部活動展開に寄与するということは一つの手段だろう。


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