今、学校では来年度人事が考えられている真っ最中だろう。来年度の分掌希望や担任の希望有無等の調査に加え、部活動顧問の希望調査も行われる。そして、多くの学校で、部活動について「全員顧問制」がとられている。「顧問を希望しない」という選択肢はないのだ。これに対して、名古屋大学大学院の内田良教授が、以下のような投稿をしている。詳しくは、以下のURLを見てほしい。
部活指導「希望しない」の選択肢がない。教員を縛る「全員顧問制」の不条理
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/902f7c51d09b386b6eea1c878ba36db91124cadc
内田氏が言うように、一旦顧問を引き受けると長時間勤務は避けられないし、土日の試合・練習などにも時間を取られる。そしてそれがほぼボランティア的な金銭で行わなければならないというのが現状だ。
私が校長を勤めていた時も、同じようなことがあった。ある教員からの「部活動を希望しない」という選択肢はないのかという問題提起だ。まだ、教員の働き方改革もそれほど話題になっていない10年以上も前の話だ。その時の私の見解は、以下の通りだ。
「先生の言われる通り、部活動は課外授業であり、教員が必ず従事しなければならないものではない。しかし、日本の教育の歩みを考えるならば、部活動というものが持つ意味が大きいことも確かだし、本校は多くの生徒が部活動に参加している。そういう状況の中で、部活動顧問をどのようにするのかという先生の問題提起も貴重だから、一度職員会議で時間をとるので問題提起してはどうか。そして職員で議論をしてみてはどうか」
その先生は、校長が「希望無し」を認めないと思っていたところ、議論の機会を与えようと言ったことに驚いたようだ。果たして、職員会議の場で、その先生は部活動の「顧問希望無し」があっても良いのではないかということを滔々と述べた。発言の後、私は教職員に意見を求めた。そうすると、ある年配の先生が、「(提案した)先生の意見は、筋から言えばそうかもしれない。しかし、『希望なし』を認めてしまえば、多くの先生は希望しないのではないか。それでは、生徒の部活動が成り立たない」という意見を言われた。この意見を聞いた多くの教職員が首肯していることを受けて、最後に私は意見を述べた。
「勇気ある問題提起に感謝したい。この問題は一つの高校で解決できるような問題ではなく、教育政策・教育行政の在り方が問われる問題だ。この問題提起に対して意見を述べられた先生の意見は、現状を踏まえてもっともだと思われる。私自身も教育委員会との話を続け、できる限り努力はするつもりだ。しかし、現状では先生方の互いの協力の下に部活動を維持していくしかないので、協力をお願いしたい」
というものだ。確かに内田氏の言うように、学校の外部に人材を求めることが重要だ。しかし、それには予算的措置が必要であることは明白なのだ。まだ、高市内閣ではこの問題に踏み込む気配はない。
学校内でこの問題を解決するのは、至極困難であることを政治家・学者はもちろん、多くの人に知ってほしい。

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