10月30日、学校法人同志社が、系列校である同志社国際高校の沖縄研修旅行で発生した死傷事故について記者会見を行った。16時からの会見は5時間に及んだという。私は大学側の冒頭の謝罪と説明、そして京都新聞社の記者の質問までを視聴した。翌朝、コンビニで朝日、毎日、産経の各紙(自宅で購読している読売と合わせ計4紙)を買い求め、この会見をどのように伝えたのかを比較してみた。
まず毎日新聞は、4紙の中で最も記事量が少ない。見出しは「同志社理事長謝罪」「初の会見『中立性に問題』」という内容であり、記者会見の事実を淡々と伝える姿勢がうかがえる。
次に朝日新聞である。毎日新聞よりは記事量が多く、「生徒の命守れなかった」「同志社理事長謝罪」「平和学習『中立性に問題』」という見出しを掲げている。事実を伝える点は毎日と同様だが、8月に亡くなった男性教諭の件に触れているのが特徴だ。記事では、八田理事長が「重く受け止めている」と述べ、宿久校長が「他にも心身が厳しい状態の方がおり、波及しないように努めている」とコメントしたことが紹介されている。
読売新聞は、朝日新聞と同程度の記事量であり、「同志社理事長が謝罪」「教育の中立性『問題あった』」との見出しを立てている。朝日・毎日と異なるのは、武石知華さんの遺族のコメントを掲載している点だ(これは後に述べる産経新聞も同様である)。
そして産経新聞である。産経は、この重大な事件を他紙が十分に扱わない中で、唯一継続的にスクープを重ねて深掘りしてきた新聞だ。この日の会見を1面で扱ったのも産経だけであり、他紙は社会面のみの扱いだった。1面には「『教育の中立性に問題あった』」と大きな見出しが躍り、社会面では「沈黙7か月半不信増幅」と大きく報じている。さらに、同志社国際高校の保護者の声として「保護者『発信遅すぎる』」という記事を載せている点も他紙と異なる。
今回の法人同志社の記者会見において、注目すべき点は主に次の3点である。
1.なぜ記者会見の開催がここまで遅れたのか。
2.安全管理の問題は第三者委員会で指摘されたものの、「なぜ金井船長を盲目的に信頼することになったのか」という核心部分が依然として明らかになっていないこと。
3.そしてこれが最大のポイントだが、八田理事長が「教育の中立性について問題があった」と認めたこと。
2の問題については、いまだ疑問は解決できていない。「盲目的」とか「組織的体質」というような言葉では説明したとは言えない。組織的体質というのなら、人員を総入れ替えするぐらいの改革が必要だが、今のところ西田校長を解任したぐらいしか行われていない。これで体質が変わるとは到底思えない。
教育の中立性については今後検討委員会を設置して検証を進めるといい、どのような結果が出るか注視したい。この問題は、安全管理の問題以上に根が深いように思われる。安全管理を検証した第三者委員会は教育内容について範疇外として言及を避けたが、安全管理の問題と教育の中立性の問題は不可分である。同校の体質そのものが「金井船長への盲目的信頼」へとつながっていたのであり、しっかりと踏み込んだ検証を行ってほしい。
最後に、朝日・毎日両紙の姿勢について言及しておきたい。文科省が過去に「教育基本法に抵触する」という見解を発表した際、両紙は「平和教育の推進が萎縮する」と大々的なキャンペーンを展開した。今回、法人同志社そのものが教育の中立性の問題を認めたわけである。朝日・毎日は、自らキャンペーンを張ったこの問題に対し、どのように向き合うのだろうか。謝罪までとは言わないまでも、自らの過去の報道への言及や見解をあらためて示すべきではないか。

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