この判決はどうなのだろう?


 9月15日の朝日新聞の17面「ジャッジ」という面で「遠足で『お茶買って』校長は『不要』」という見出しで裁判の記事が掲載されていた。

 事情はこうだ。熱中症になったのは小学校1年生の女の子。他の1年生と比べても小柄で、母親によると「娘は体力に不安がある」という事だった。だから、母親は熱中症にならないために、担任と学年主任に、
「娘がしんどいと訴えたら私に連絡してほしい」
「お茶が無くなったら、娘に持たせたお金で買い与えてほしい」
と要望した。当時の気温は20度~25度。学校から電車に乗って移動し、30分ほど歩いて目的地の公園に着いた。
 学校への帰り道で女児が、「お茶を買ってほしい」と担任に訴えた。担任から報告を受けた校長は、女児の様子から「お茶を買う必要が無い」と判断した。女児は、担任に「ママを呼んで」と伝えたが、担任は、母親を呼ばずに「あと少しだからがんばろう」と声をかけて遠足を続けた。
 女児は帰宅後に38度の熱を出し、病院で熱中症と診断された。

 裁判では、学校の対応に違法性があったかが争われた。

判決は、「学校側に違法性は無く、賠償責任も無い」という判決だった。判決は、「教師には、教育活動で生じる恐れのある危険から生徒を保護すべき義務がある」とし、「学校側に熱中症にならないよう適切な対応をする義務があった」としている。
 しかしながら、なぜ学校側が勝訴したのだろう。判決では「(お茶を買わせてほしいという)申し入れがあったからと言って、教員が従う義務は生じない」とし、遠足中にも水分補給の機会が一定程度は確保されていたと判断。女児が最後まで歩き続けられていることなども考慮し、学校側の対応に違法性は無いと結論した。

 ここからは私の意見だ。結論から言うと、学校の対応に違法性があると考える。遠足を終え帰宅後、女児は熱中症と診断されたこと、事前に保護者から要配慮の要望を受けていたこと、遠足中も女児がお茶の購入、母親への連絡を訴えたことなどを考えれば、学校側が配慮義務を果たしたとは言えない。小学校1年生という事を考えると、体力的にも遠足がきつかったのだろう。元々体力に自信が無く、遠足に参加せることも躊躇していたこと、学校側が参加を促したことを考えれば、他の児童以上に配慮すべきことではなかったか。校長が、「お茶を買う必要はない」と何を持って判断したのか。教員は医者ではない。お茶を買って飲ませ、保護者に電話を入れておけば、たとえ熱中症になっても裁判に発展しなかっただろう。


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