公立小・中学校のPTAの全国組織、公益社団法人日本PTA全国協議会(以下、日P)からの退会が相次いでいる。2024年度末には千葉県、埼玉県、群馬県、静岡県、解散を機に岡山県、横浜市、相模原市、6月にはさいたま市も退会。会員数(児童生徒数、会費は子ども1人当たり年10円)は25年3月末の661万人から計100万人以上減少したと、下記の記事に記載されている。
これだけの組織的な退会に及んだのは、やはり日Pの不祥事によることがきっかけだ。しかし、それだけではない。日Pの硬直した組織運営により、その存在意義が問われるようになったことが大きい。日Pは、下図のように、ピラミッド型の組織である。

記事には、21年〜22年に千葉県PTA連絡協議会会長、23年顧問、24年相談役を務め、日Pと4年間関わってきた濱詰大介氏のコメントが掲載されている。
「日Pは、全国のPTAを代表して皆の意見をまとめ、それを社会に発信する役割を担うべき存在であるはずです。しかし実態はまったく異なるものでした。一番の問題は、組織運営の閉鎖性です。全国のPTA代表者が集まって話し合う『代表者会議』があるのに、そこで議論されたことが意思決定にほとんど反映されませんでした。それどころか、重要なことの多くはごく一部の幹部だけで決められていました」
これでは、日Pの存在意義が問われるだろう。
記事には、PTA活動に関する新しい動きも紹介されていた。23年1月、新たに「一般社団法人 全国PTA連絡協議会」(以下、全P)が誕生したというのだ。この話は知らなかった。全Pと日Pの違いを記事では以下のようにまとめている。

学校現場では、PTAのなり手に困るような状況だ。学校では、硬直したPTA組織ではなく、イベントごとに仕事を担ってくれる人を募集するような形態もあるという。その方が、議題も無いのに、定例の会議だけがあるというよりは余程良い。働いている保護者が大多数を占める中で、仕事を工面して保護者は参加しなければならないのだから。学校という足元で、PTA活動の意義や意味が問われている時代だ。
そのような状況で、ピラミッド型の上位下達の日Pのような組織では、活動の硬直化を招くというのはよく理解できる。全Pのようなフラットな対等な組織で、情報共有PTAの運営支援など、「加入して良かった、勉強になった」と思う組織が重要だ。
日Pが減少の一途を辿っていることに比して、全Pは、増加の一途を辿っているという。もう、日P解散の日も近いのではないだろうか。
信頼失墜「会員100万人減」、相次ぐ退会で揺れる日本PTA全国協議会の迷走…その傍らで新たに生まれた全国組織とネットワークの存在意義
https://toyokeizai.net/articles/-/908560

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