どうも、最近「毒親」に出会う機会が多い。「毒親」は増えているのだろうか?いや疑問符が付く余地はなく、確実に増えていると思う。毒親とは何か?「毒親」でネット検索すると、いろいろな情報があふれているが、このサイトが比較的簡単に理解しやすい。
毒親とは?特徴・チェックリスト!あなたは毒親になってない?
である。このサイトによると、毒親には9つのタイプがあるらしい。
特徴1:子どもを管理する
特徴2:子どもを支配する
特徴3:「あなたのため」と押し付ける
特徴4:過保護となり必要以上にしてあげる
特徴5:精神的な一体感を求め過干渉になる
特徴6:子どもへ呪いの言葉をぶつける
特徴7:子を抑圧し、罪悪感をうえつける
特徴8:大人になっても就職や進路に口を出す
特徴9:大人になっても恋愛や結婚に口を出す
子どもの発達段階からすると、親が毒親であるかどうかがはっきりわかるのは、子どもの精神的自立が始まる中学生ぐらいからか。とにかく、毒親の毒親たるゆえんは、自分を毒親とは思っていないことだ。自分は、正しく子育てしており、正しい親であると思っている。本当に始末が悪い。
ところで、この特徴1~9までに共通することは何か。どのタイプの毒親も「子育てとは、子どもを社会で自立する人に育てるということ」を自覚していないことだ。まるで、自分のペットのようにいつまでも自分の手元に置いておこうとする。ある親が、こんなことを言った。
「私の夢は、娘が離婚して孫と一緒に戻ってきてくれることなの」
びっくりする発言である。耳を疑ってしまった。「この人は、一体何を考えているのだ」と恐ろしくなった。しかし、本人は自分を毒親とは思ってない。だから余計に恐ろしい。
学校現場で出会う一番多いタイプの毒親は、特徴3~5の過保護・過干渉タイプである。「転ばぬ先の杖」という言葉がある。この言葉の意味は、「失敗しないように前もって準備する」ということであって、「準備してあげる」ではない。「する」と「あげる」では大違いだ。準備してもらった子どもは、いつまでたっても自分で杖を準備しようとしない。つまり、自立できないのである。また、毒親タイプの親に「それでは子どもは自立できないのではないか」と直接的に言おうが、間接的に言おうが、ほぼ絶対と言っていい程受け付けない。自分が全く正しいと思っており、このようなアドバイスも攻撃と受け取り、余計に子どもを守ろうとする。
それでは、どうしたらいいか?一番遠回りのようで近い道は、「子どもの自立心を育てる」ということである。過保護の自分、杖を自分で用意できない自分を家庭以外の学校と地域で(今ではその役割は99%学校だろうと思うが・・・)自覚させることである。もう少し突っ込んで世の中の毒親対応で悩まれている教師にアドバイスする。どのように子どもの自立心を育てるのか。それはタイムマシーンクエスチョンである。
「もし、〇〇後にタイムマシーンに乗って、未来のあなたと出会ったら今のあなたとどこが違っていますか」
という質問である。私はこの質問のいろいろなバージョンを駆使して、生徒との面談を行った。特に現状を変えようとしない生徒に対して、「説教」するのではなく、この現状をいつまで続けるのかを自覚させるために使った。未来に目を向けさせると、今まで考えようとしなかった生徒も「・・・・」と考え始める。いつまでこの状況を続けるのか、いつになったら変えようとするのか、生徒もいつまでも続けるのはよくないとどこかで自覚しているのだ(忘れているかもしれないが・・・)。
とにかく、子育てで毒親ほど罪深いものはない。私は、入学式でも卒業式でも保護者に向かって「子離れ」を訴えてきた。しかし、その効果は極めて薄い。それもそうだろう、自分は正しいと思っている毒親がほとんどなのだから。私が育てられた頃とは、大違いだ。私は母親から「若い時の苦労は、買ってでもするもんや。そんなことでどうする!」と言われてきた。こんなことを言う親は、今はどれほどいるのだろう。
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