磐越自動車道バス事故の問題点


 5月10日に北越高校が2度目の記者会見を行った。今回は、ソフトテニス部の顧問も同席している。11日は新聞の休刊日なので、朝刊はない。Youtubeで記者会見の様子を見た。2時間を超える記者会見のようだ。最後まで見ることはできなかったが、記者の質問に丁寧に真摯に応えようとする学校側の姿勢には理解できるものがあった。

 今回の会見で明らかになったのは、またしても学校側と蒲原鉄道側との食い違いである。新たに明らかになったのは、大きな点で言うと2点だ。
 一つは、ソフトテニス部が蒲原鉄道にバスを依頼したのは12回あり、そのうち3回はレンタカーだったということ。しかし、顧問からはレンタカーを依頼したことは無く、貸し切りバスを依頼したという。しかし、請求書などには「レンタカー代」とか「運転手代」とかの項目があり、会社としてはレンタカーを依頼されたとなっている。顧問は、総額だけ確認し、会計担当者に請求書を渡したという。バス乗車当日もナンバーを確認することなく、貸し切りバスであると思って利用している。

 11日の夜7時のNHKニュースでも、この問題はトップニュースで報じられ、イランとアメリカとの交渉の行方より重要視されている。なぜなら、会社側はより具体的に学校の顧問とのやり取りを証言しているからだ。貸し切りにするのか、レンタカーにするのか、というやり取りである。それも大型バスならいくら、中型ならいくら、マイクロバスならいくら、レンタカーならいくらと提示したという。また、レンタカーの手配は会社に何のメリットもなく、今までの学校とのお付き合いでやらしてもらったとも答えており、手配手数料なども請求していない。

 以上の事を考えると、どうも学校の方に分が悪いように見えてくる。本当にレンタカーを要求していなかったのか、ここまでくれば水掛け論の様相を呈してきたが、どちらかが嘘をついているのは確かだ。ナンバーの色を確認しなかったり、明細書を確認しなかったり、不自然な点は学校側にこそある。例え顧問が確認しなかったとしても、複数回のレンタカーの利用で、誰かがどこかの段階で「?」が付くものだろう。

誰も疑問に思わなかったというのが、二つ目の問題点だ。おそらく部活動については、学校側は深く関与せず、顧問に任せていたのだろう。前にも言ったように教育活動の中で部活動の占める位置に比して、法的位置づけはあくまでも課外活動なのである。私も長い教員生活で部活動顧問の経験はあるが、生徒会から支給される活動費の決算を報告しても、生徒や保護者から徴収している活動費を学校に報告した経験はない。(近年、大阪府では報告するようになっているが)生徒・保護者に決算報告をしておしまいだ。そこには、暗黙の信頼関係というものが存在した。多くの学校は似たり寄ったりの状況ではないか。このようなマネジメントの脆弱性から、レンタカー利用を見落としたということも大いにあり得る。
これを修学旅行などの課内事業と比較すれば一目瞭然だ。修学旅行の場合は、企画を数社に提示し、見積もりを出させる。そして公の場でのプレゼンテーションを行ったうえで、学年会議、職員会議で内容及び事業者を決定するのだ。もし、仮に費用が高い業者を選んだとすれば、その理由書を報告しなければならない。教育委員会が行う監査に引っかかるのだ。このような状況から比べると如何に部活動は顧問任せになっているかということだ。

3つ目の点は、運転手の選定問題だろう。仮に会社が学校からレンタカーと運転手の手配の依頼を受けたとしても、今回のように事故を頻繁に起こしている運転手を選定したのは明らかに会社のミスだ。さらに、事故現場のバッグから報酬らしきものも発見されている。2種免許を持たない今回の運転手からすると、明らかに違法行為となってしまう。レンタカーを契約するのも、会社の営業マンの免許証を提示したというから、こちらもずさんとしか言いようがない。いくら頼まれごとであっても、仕事として行う以上、ルールは守らなければならないし、安全確認をするのは当然のことだろう。この点については、警察が捜査に入っているので、やがて明らかになるだろう。

以上、今回の事故について3点の問題点を指摘した。
①レンタカーは誰が手配したのか
②レンタカーを学校が依頼していないというのなら、それを3回も見抜けなかった学校の体制の問題。(他の部活動でもレンタカーの利用を調査中という)
③会社の運転手の選定問題
である。
いずれにしても、関係者は亡くなった生徒やその遺族や負傷した生徒とその保護者に真摯に向き合い、正直に問題を究明すべきである。


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