さて、今回の「その6」から、国際バカロレアの教育プログラムとは何か?そして、どのように国際バカロレア認定校に向けて取り組んでいったかを示したいと思う。タイトルも「国際バカロレアへの道」に変更した。
一般的に、国際バカロレアはジュネーブやシンガポールにその本部を置いており、アジア地域はシンガポールの本部が統括することになる。国際バカロレアは、
国際バカロレア関心校→候補校→認定校
というような道筋になっている。関心校から候補校は比較的に容易であるが(それでも附属中は1年間を要したが・・・)、候補校から認定校になるにはハードルが高い。平均すると2年から3年を要している。同じ国立大学法人である大阪教育大学池田中学校は、5年を要したと聞いた。まずは、その入り口である関心校になるには、どうすれば良いか。このハードルは低く、管理職が国際バカロレアが主催する研修を受けるだけで大丈夫である。と言っても、3日間の集中研修を1日8時間ほど受けなければならないのだが。私の場合は、令和3年の11月の校長研修を受けた。
研修は、先ほども述べたようにオンラインで3日間、9時から17時頃まで行われる。講師は、日系カナダ人の先生で、あまり得意ではない日本語を駆使しながら教えてくれた。時々英語が混じるのが面白かった。参加者は、私を含めて3人+1人(というのも、このおひとりは、教頭という立場で参加されており、最初は参加されていたのだが度々研修を抜けられ、校務をかなり慌ただしくこなしながらの参加であった)。日本の研修とは異なり、国際バカロレアの理念や学校経営の在り方などを講義ではなく、ワークショップ形式で行うものであった。それぞれが、思うところを図式化したら、絵にかいたりの研修である。特に面白かったのは、「あなたが学校経営に必要と思うものを絵にしてください」と人型の絵に、様々なモノを付け足していく研修である。図式化した後、それぞれが作成した絵をプレゼンテーションするのだが、これが意外に面白い。それぞれの校長先生の経営理念が、はっきりと浮かび上がるのである。自分以外の校長先生と同じ点や相違点を比較することで、かなり勉強になった。金・土・日と連続の研修で、さすがに終わった後のビールはうまかった。
その後、候補校になるために校長が必要な事として、学校の教育目標の確立がある。これについては、後の回で紹介したい。書けば長くなるからである。今回の管理職研修を終えて、すぐさま候補校の申請準備ができればよかったのだが、バカロレアのコーディネーターが設立されていなかったこともあり、本格的に動き出したのは令和4年度の夏休みからになってしまった。その間、国際バカロレア機構の認定基準に変更があり(10年単位で見直されるらしい)、私は再度令和4年度の5月に校長研修を受けることになった。今回は参加されている校長が比較的多く、10人を超えていたと思う。講師も前回と同じ日系カナダ人の先生だった。大人数での研修だったので、色々刺激をもらえることを期待した。というのも、すでに国際バカロレアに認定されている学校の管理職も参加されており、大いに期待したのだが期待外れであった。私立の経営戦略として国際バカロレアに手を挙げていたり、更新日程が近づいているからポイント稼ぎに研修を受けている管理職がいたりで、先ほど紹介した「学校経営の図式化」も学ぶ点が少なかったというのが、2回目の研修であった。
こんな感じで国際バカロレア認定校への道がスタートしたのである。次回は、学校目標の改定について述べたいと思う。
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