PISA結果と読解力低下

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 10月1日の読売新聞教育面に「デジタル依存で読解力低下か」と題した解説記事が掲載された。PISA(OECD生徒の学習到達度調査)において、読解力を含む主要3分野のOECD加盟国平均得点が下落したことは周知の通りである。その結果、相対的に日本の国別順位が「1位」と報じられた際、私は自身のブログで「PISA結果――日本が伸びたのではなく世界が下がった」と論じた。今回の記事は、まさにその「世界的な学力低下」の背景に踏み込んだ内容であった。

 記事が引く報告書によると、学力低下は新型コロナ禍以前から始まっていたという。特に情報を評価・統合するような高度な読解課題の正答率が落ち込み、なかでも長文読解における低下が顕著であった。

 さらに懸念される要因として指摘されているのが「急ぎ読み(画面上の流し読み)」である。文章を深く理解する前に素早く答えてしまい、結果として誤答に至る現象だ。OECD平均を見ると、この割合は前回の4.6%から8.9%へと倍近くに跳ね上がっている。日本でも4.3%から5.5%へ増加しており、他人事ではない。

 特に興味深いのは、学習目的であってもデジタル機器の使用時間が1日5時間を超えると、得点が低下する傾向が見られた点だ。日本でもデジタル教科書と紙のハイブリッド方式などの導入が進んでいるが、このデータはデジタル機器の多用に対する強い懸念を示している。世界トップクラスの学力を誇るシンガポールは、教育のICT化で知られるが、子どもの学習の中心はあくまで「紙の教科書」であるという。

 フランスなどでは、読解力を再重視するカリキュラム改訂が進められている。翻って日本はどうか。次期学習指導要領では情報化の推進が目玉として語られ、小学校で「情報」の授業を導入するために他教科の時間を年間3〜4%削減する議論がなされている。削減対象には国語も含まれるのだろうか。安易なデジタル化に傾斜し、確かな読解力を育む時間を削って本当に良いのか。次期学習指導要領の導入後に日本の読解力が低下する事態になれば、それこそ目も当てられない。


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