ZEN大学-「出口」に注目


 8月30日の朝日新聞の教育欄「いま子どもたちは」にZEN大学の記事が掲載されていた。ZEN大学は、通信制の大学として2025年4月に開学した。学部は知能情報社会学部だけで、数理、情報、文化・思想、社会・ネットワーク、経済・マーケット、デジタル産業の6分野を横断しながら学ぶスタイルという。文理融合である。

 記事には、働きながら学ぶ秋穂正斗氏の事が詳しく掲載されていた。その分野では知る人ぞ知るという人物らしいが、私は残念ながら知らなかった。学費は年間38万円と、国公立大学と比較してもかなり格安である。入学定員は3500人で、1期生には4236人が入学したという。過半数の52.8%が高校や高専から直接進学した。同じ法人のN高からは、36.5%が占める。

 大学が掲げるITを活用して「最先端の学びを全ての人に」という理念の通り、かなり尖った教育を施す大学である。学生は1本あたり10~15分の動画を6本視聴して1本ごとの確認テストを解き、講義ごとのテストへ向かう。それを15回繰り返して単位試験に臨むシステムだ。
 
 秋穂氏のように、もともとから尖った人にとっては、必要な知識や技能が学べてとても良いシステムかもしれない。だが、その他大勢の学生にとってはどうだろう。4年間オンデマンドで学ぶわけだから、コミュニケーション能力や社会性はどのように身に着くのだろう。実は、通信制を卒業し、普通の大学に進学した私の担当した卒業生が、ZEN大学に入学するために、書類を求めてきたことがあるのだ。その生徒は、大阪では進学校に分類される私立高校から私が務める通信制高校に転学してきた。コミュニケーション能力に課題が見受けられた生徒だった。府内の4年制の大学に進学できて良かったと思ったが、結局、通信制のZEN大学に変わってしまった。

 果たしてZEN大学は、どのような卒業生を輩出するのだろうか。就職実績はどうなるのか。あと2年後の出口に注目してみたい。


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