7月31日同志社国際高校の沖縄研修旅行で発生した辺野古での事故ついて検証を行う第三者委員会の報告書が公表された。まずは、全文を学校法人同志社のwebpageに掲載した同法人に感謝の意を述べたい。というのも、同じように高校の現場で発生し、世間の耳目を集め、甲子園大会が始まってから出場を辞退することになった広島県広陵高校の場合は、第三者委員会の報告の概要とも言えないA41枚のペラペラの内容をwebpageに公開したからだ。
広島県の私学担当に問い合わせてみても、どのように公表するかは設置者任せという事で、行政の指導が入らない法律の建付けになってしまっているのだ。このことから考えると、同志社国際高校の姿勢はさておき、設置者としての学校法人同志社が、この問題に対して真摯に向き合おうとしている点は評価できる。
それにしてもなんという体たらくの組織なのか。旅行業者を関与させていないのに、辺野古見学コースの下見を一切していない。最初の実施年度の生徒の感想に危険を感じたという文言があったにも関わらず、コースの内容を検証しようともしていない。委員長の渡辺弁護士が「あまりにもずさんな現場で信じられない思い。ことごとく安全の意識が抜け落ちている」「およそ非難を免れず、猛省をしなければならない」とまで言い切った学校現場の状態である。ここまでずさんな学校は、稀有である。
私も大阪府立高校を9校経験した。中には、漫然と前例踏襲を繰り返す学校もあった。私はどちらかと言えば、問題提起をする側の人間であった。問題提起するのにも勇気がいる。エネルギーがいるのだ。前例を何も考えず踏襲する方が余程楽だ。しかし、そこに問題が潜んでいる限り、その問題を解決しなければ教育活動に支障が生じる。だから、勇気を振り絞って問題提起するのだ。特に安全に関する問題は、真摯に向き合わなくてはならないのは学校現場の常識である。
残念ながら同校は、そのような組織風土を持ち合わせていなかった。校外学習に関する安全管理マニュアルさえ無い。そしてそのことについて誰も問題提起をしないという危機意識の低さである。
今後学校法人同志社はどのように対処するのだろう。ここまでずさんな組織を立て直すためには、大幅な人事異動を行わなければならないだろう。特に校長・教頭というポジションについては、よほどしっかりした人材を登用しなければ改革は進まない。意欲のある外部人材を広く登用するという事も選択肢に入るのではないか。
今回の第三者委員会の報告は、文科省が指摘した「教育基本法違反」については踏み込んでいない。本件事故に係る事実関係の解明、原因分析及び再発防止策の提言を得ることを目的とした委員会だからだ。しかし、記者からの質問に対して、委員長からは「文科省の見解についてコメントする立場にない」としながら、重ねての記者の「文科省の調査と事実認定において齟齬は無かったのか」という質問に対して、「齟齬はまったくなかった」という回答があったことは重要である。
朝日・毎日という左派系新聞が、文科省の「教育基本法違反の見解」に対して学校現場が萎縮すると散々キャンペーンを張っているが、この第三者委員会の報告を受けて、どのようにコメントをするのか。学校法人同志社は生徒・保護者に対して「政治的中立性」に関するアンケート調査を実施ししている。この第三者委員会の報告でも、金井牧師の礼拝などでの話に疑問を呈する生徒や教師の声が掲載されている。
左派系新聞や左派系知識人も、「萎縮、萎縮」と騒ぐのではなく、同志社国際高校でどんな教育が行われていたのか、その点について真摯に検証すべきだろう。

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