7月1日の朝日新聞に、「日本政治の『再分配』は?」「富裕層も高校無償化、教育格差は拡大も」というタイトルで記事が掲載された。今年から始まった高校授業料無償化に関する検証記事だ。
この制度で恩恵を受けた富裕層の紹介もされているが、興味を惹かれたのは、SONMPOインスティチュート・プラス上級研究員の小池氏の調査だ。小池氏は、00年と25年の家計調査を使い、世帯年収を5つに分類、塾や予備校への支出額を比較した。支出を増やしたのは、上位20%層だけで、残る層は軒並み減らしていたという。上位20%層による支出額の増加幅は約28%、最下位20%層の減少幅は約76%だという。小池氏は「塾での教育格差は大きく拡大している」と指摘している。
高校授業料無償化政策は、維新の看板政策だ。中学3年生の進学の選択肢を広げたという意味では、意義がある政策だろう。しかしながら、副作用も多い政策だ。大阪府を中心とした大都市圏で、軒並み公立高校への進学率を下げている。記事にも「公立と私立を比べると、私立の方が、設備が整っていてきれいだと思う」という親子が紹介されていた。少子化が進む中で、公立高校の衰退に拍車をかけるのが、高校授業料無償化である。教育内容はさておき、施設・設備の公私の格差は、日本の貧弱な文教政策が原因だろう。公立学校が私立学校のように立派な施設設備を擁していたら、ここまで私立高校に流れるだろうか。
そして、教育格差の拡大である。国民から集めた税金をどのように国民に還元するのか、それが「再分配政策」であるが、明らかに高校授業料無償化政策は、教育格差を拡大する方向で働いている。こんな政策で良いのだろうか。
法案の付則には、3年以内に検討を行うと書かれている。是非、見直してほしいものだ。

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