6月30日の読売新聞に、福島県で5月に北越高校(新潟市)の部活動遠征時に起きたバス事故を受け、文部科学省と国土交通省がまとめた校外活動時の安全確保策の記事が掲載された。世間が注目する安全対策のため、非常に重要な安全確保策だ。
内容は、以下のポイントである。
●社会科見学や修学旅行などの教育課程内の活動は原則、公共交通機関や貸し切りバス、スクールバスを利用することを基本とする。
→これは当たり前のことで、ほぼすべての学校が遵守しているだろう。
●部活動の遠征やボランティア参加など教育課程外の任意の校外活動については、事業者が少ないといった地域の実情も踏まえて、レンタカーや教職員・保護者の自家用車利用も認める。
→これが、今回の安全策の焦点だ。確かに、事業者が少ない地域では、現状貸し切りバスなどを手配するのは、難しい場合があるだろう。だからと言って、「レンタカーや教職員・保護者の自家用車利用」を認めてしまえば、問題の先送りと言われても仕方ない。本来は、部活動の在り方も含め、遠征などの必要性がどこまであるのかまで踏み込まなくてはならない。今回の北越高校も新潟県から県をまたいで福島県までの移動途中での事故である。教職員の運転となると、生徒への指導の上に移動の負担があり、相当なプレッシャーであることは事実だ。保護者が運転する場合も責任の問題が付きまとう。このような問題をどのようにするかが、安全策に必要であるが、現状を追認し問題を先送りしたとなってしまった。
●部活動の遠征などでレンタカーや自家用車を利用する際の、教職員向け「安全管理チェックシート」も作成。シートは事前確認と当日確認の2種類あり、「運転者の免許証や事故歴」「車の定期点検や適切な保険の加入」「運転者の健康状態」などを確認したシートを、管理職に提出するよう提案している。
●校外活動の計画について、保護者に事前に連絡すること
→この二つについては、教職員や部活動指導員、保護者らがレンタカーや自家用車を利用する際の安全確保で、現状でできることを最大限行ったと言えるのではないか。できれば、プロの運転手が行っているアルコールの呼気検査もやってほしい。
●教育課程の内外にかかわらず、移動の車両には教職員や部活動指導員、保護者らの「同乗が望ましい」と指摘。
●事業者に向けては、契約内容を記載した書類を学校側に交付するよう要請した。
●運転者やレンタカーの手配などは、学校から依頼があったとしても、法令で認められた事業者以外は応じない
→この3つについては、今回の事故を受けて、世間的にはあまりにもずさんな教員と会社のやり取りに対しての警告だ。当たり前のことを当たり前にしろという事だろう。
●校長や教頭ら学校の管理職は、児童生徒の引率計画について、「書面による事前承認を含む安全管理を徹底する」
→これは、今回の安全策の中でも大きなポイントである。今まで、教員任せ、顧問任せになっていた部活動の遠征も、管理職の承認が必要になるという事だ。公立高校ではすでに行われている学校も多いと思うが、この事前承認が私立学校にまで及ぶことは、大きなポイントだと思う。管理職が承認するという事は、それだけ責任も発生するわけで、ずさんな遠征計画にもチェックが入るというものだろう。また、そう期待したい。
今回の安全策については、文科省・国交省から具体的な支援策(助成金等)が無い下での方針である。そのため、問題が先送りされた面もある。しかし、今までの現状よりは、一歩進んだと言えるだろう。野放し状態だった部活動の遠征が管理職の責任下になった点は大きい。

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