6月6日の読売新聞社会面に「私立校教員『わいせつ』調査無し」「教委免許取り上げ『妥当』」という見出しで、記事が出ていた。内容は、生徒へのわいせつ行為を理由に懲戒解雇された私立学校の教員について、教育委員会が調査せずに教員免許を取り上げた処分は、妥当かと争われた訴訟で、東京高裁が「妥当」とする判決を言い渡していた。元教員は行為を否定し上告しているというものだ。
どうもよくわからないので、記事に書かれている内容を時系列に整理してみた。
2016年
私立校の教員だった男性が、教え子の高校3年の女子生徒にキスをしたり、性的関係を求めることをほのめかしたりした。
2021年9月
同校から懲戒解雇された。
2023年4月
私立学校側から報告を受けた神奈川県教委は、教育職員免許法に基づき、男性の教員免許を取り上げる処分を行った。
男性は処分を不服とし、取り消しを求めて横浜地裁に提訴。生徒へのわいせつ行為を否定して「教委が調査をしないまま免許を取り上げるのは不当だ」と訴えた。
2024年11月
地裁判決は、免許を取り上げると3年間は教員として稼働できず、わいせつ行為を理由とした場合は国のデータベースに氏名が記録されると言及。「処分の影響は重大で慎重な審理が必要だ」とした上で、男性がわいせつ行為をしたと認めるに足りる証拠はないとして、処分の撤回を命じた。
2025年10月
東京高裁が、私立学校側が解雇の根拠とした事実関係を県教委が改めて調べることは困難だとし、「調査に長期間を要することが容易に想定される」と指摘。免許を取り上げた県教委の対応は適法だとし、地裁判決を取り消した。
という流れである。記事を読んでいると、
「男性は、懲戒解雇は無効だとして地位確認を求める訴訟を横浜地裁に起こした。同地裁と東京高裁は、女子生徒の証言などを根拠にわいせつ行為があったと認定し、男性の請求を棄却する判決を言い渡して、昨年確定している。」
となっているので、わいせつ行為が認定されている。にもかかわらず、この男性は東京高裁の判決に上告している。理由は、「わいせつ行為の有無を調査することもなく下された教委の処分を追認する判断は納得できない」というものだが、裁判でわいせつ行為が認定されているのだから、この男性は懲戒免職→教委による免許はく奪は法に基づく妥当な判断だろう。
この男性は何を争うつもりなのだろうか?

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