週刊新潮「私立高校無償化」記事

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 3月26日号の週刊新潮に大きく私立高校授業料無償化に関する記事が掲載されていた。タイトルは、「私立高校無償化は害悪でしかない やはり『公立高』志願者が減少」である。文春や新潮には珍しく教育ネタなので、買って読んでみた。

 内容は、3つに分かれている。私立高校無償化による公立高校の志望者減の実態、2点目は、「最後の産業の側面も」というタイトルで書かれた消滅する公立高校の問題、そして最後は、「『制服』『校舎』で集めても」という内容だ。2点目の問題は、地方の自治体だけではなく、大阪府の周辺自治体にも大きな問題で、すでに大阪府でも府立高校があったにも関わらず、廃校になった、もしくは廃校予定の自治体がある。この点については、地元の河内長野市の例を出して以前にブログで書いたので詳しくは語らないが、高校があるかどうかという点は、自治体にとっては大きな問題であることを改めて述べておこう。

 さて、3点目の問題である。この問題に私は今まであまり言及してこなかったが、言われてみると、大きな問題だ。何かというと、公立高校の入試は5科目、私立高校の入試は3科目という問題だ。受験生の心理から早く合格を決めたいという気持ちと共に、受験勉強の負担を減らしたいという心理も動く。そのため、志望者が公立高校から私立高校にシフトすると、5教科を勉強して公立高校に入学した高校生と3教科しか勉強せずに、高校生になった生徒の間で学力格差が生じるという問題だ。この傾向は、偏差値50~55の高校で堅調であるという。このレベルの高校だと、国公立大学よりも私立大学(それも中堅以下)をめざすことが多く、私立大学入試でも理系3教科、文系3教科しか重点的に勉強しない。ということは、理科の知識が中学レベル以下、日本史・世界史の知見が中学生レベル以下の大学生が大量に生まれるということだ。
 因みに私の長男は、国立大学(一橋大学)に進学したが、次男(関西学院大学)・長女(同志社大学)は私立大学に進学した。話をしていても、長男と他の二人の知識量、知見には大きな格差があり、私から見てもこの二人はバランスが悪い。「こんなことも知らないのか」と思うことが度々あった。大学受験の3教科でもこのようなバランスの悪い若者が育つ。いわんや高校受験の3教科受験の弊害はもっと大きい。

 週刊新潮も危惧しているのだが、こんなことで人材が果たして育つのかと空恐ろしくなる。この私立高校無償化というのは、大きな問題を孕んでいる。とにかく、きちんと実態を把握し、再検証することが必要だし、公立高校並みに私立高校にも行政が関与しなければならない。税金だけよこせ、口を出すなでは、日本の教育が危うくなる。


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