トランプは負ける!


 どうもアメリカ・イスラエルとイランの戦争は、長期化しそうだ。双方が攻撃の手を緩めようとしない。益々、戦争が激化しそうである。この戦争、大体の見方は、イスラエルのネタニエフの口車に乗せられ、トランプが戦闘を始めたというものだ。トランプの支持基盤であるキリスト教福音派は、強固なイスラエル支持派である。因みに、この福音派というのは、今すぐにでもイエス・キリストの復活があると信じてやまない宗派であり、アメリカが理性の国ではなく、宗教国家であることの象徴のような存在である。

 まず、このアメリカ・イスラエルによる先制攻撃が、国際法上許されるものかと言えば、大方の見方は、違法という見解である。欧州諸国を中心に違法という見解が示されており、トランプ大統領と蜜月を演じたイタリアのメローニ首相も、今回のイラン攻撃を激しく非難した。
 さらに、トランプはやり過ぎた。ここぞとばかりイランの体制転換を求めて、ハメネイ師を殺害する斬首作成を行い、イランの各軍事施設を攻撃した。しかし、体制転換の動きは起こらず、イランの反撃は続き、トランプにとっては誤算続きの戦争なのだ。イランの現体制に不満を持っている人からしても、「ちょっと待て、このままでは国の存続が危ぶまれる。」と思うに違いない。ましてやイラン革命を支持する人たちにとっては、アメリカ・イスラエルへの憎悪は燃え盛るばかりだ。イランは、特に革命防衛隊は、とことん闘うのではないか。
 
 そこで今後の展開であるが、トランプサイドから考えると、このようになる。トランプは、イランの反撃能力を破壊するまで戦闘をやろうとするだろう。しかし、ホルムズ海峡が事実上閉鎖されている中で、原油価格の高騰が止まらない。ポピュリストであるトランプは、アメリカ国民の反発を恐れ、また秋に予定されている中間選挙を見据え、勝手に「勝利宣言」を行うことが考えられる。

 ところが、イスラエルは戦争継続を求めるだろうし、イランも同じく戦闘を継続する。組織的戦闘が難しくなったとしても、非組織的戦闘、いわゆるゲリラ戦を展開するだろう。イランにとっての最大の強みは、ホルムズ海峡という「世界経済の人質」を手にしていることだ。イランは、たとえタンカーを攻撃しなくても、「ホルムズ海峡は通さない」と宣言するだけで、海運業者は海峡を通れなくなるし、通ろうとするタンカーに保険会社は、保険を契約させない。アメリカ船籍のタンカーに1・2隻テロ攻撃をするだけで、イランは「世界経済の人質」を手に入れ続けられるのである。

 トランプは、ホルムズ海峡を通過させるために艦艇の護衛をつけると言っているが、膨大な費用がかさむ。そのため、今となっては、日本をはじめホルムズ海峡に依拠する各国に艦艇の派遣まで求めるようになった。中国にまでお願いしているのだ。イランのゲリラ的戦闘は、アメリカが全面撤退するまで止むことはない。勝手に「勝利宣言」をしても、トランプはテロ対策で戦争から手を引くことができなくなる。アフガニスタンの二の舞だ。結局のところ、アメリカはイランに対して、膨大な賠償金を払って全面撤退するしかない。それがこの戦争の結末だろう。

 さて、日本の取るべき道である。3月19日に訪米する高市首相にとっては、最大の試練である。今までは、詳細が分からないから国際法上の法的評価を避けてきた。しかし、大統領と会ってからは、回避はできなくなる。最大の同盟国であるアメリカに対して何を言うか、そして何を言われるかという事だ。
 たとえ対中問題があったとしても、私はここは言うべきことは言うべきだと思う。日本が何を言おうが、この戦争に四苦八苦しているトランプは、中国に阿る。それならば、日本は、欧州各国と連携して、トランプに対して、「即時停戦」を求めるべきだろう。日本単独でこのようなことをすれば、リスクは大きすぎる。G7のアメリカを除いたG6でトランプに迫るべきだ。残念ながらそのような動きを日本はしていない。せめてメローニ首相とともに、トランプと会うことはできないだろうかと思ってしまう。

 このままいけば、トランプは中間選挙で負け、レイムダック状態になる。高市首相からすれば、このままトランプと心中するのか、それとも距離をとるのかの正念場だろう。ここは、原則に立ち返り、「日本も言うべきことは言う信頼できる国だ」という事を世界に知らしめることが大事だ。目の前の国益を損なうことになるかもしれないが、「国としての信頼」はとても大きい。

 更に付け加えれば、日本はアメリカと同盟の「一本足打法」から脱却しなければならない。共和党・民主党の分断が益々激しくなるアメリカは、誰が大統領になるかで政策の振り子が大きすぎる。そのようなアメリカに振り回される危険性を回避するために、日米安保を維持しながら私は日本がNATOに加盟することを勧めたい。第二次世界大戦以降、最大の軍事同盟なのだから。

 とにかく、今回の高市首相の訪米は、今後の日米関係の大きな岐路になる可能性が高い。日本国民としても注視しなければならない。


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