6月8日読売新聞のトップに「公立高再編 国が主導 魅力向上へ交付金」という記事が掲載された。下図のようなイメージが掲載されている。自民党・公明党・日本維新の会の3党合意により進められた施策で、私立高校の無償化による公立高校の地盤沈下をどのようにするのかという事が問題意識だ。具体策として、
「少子化を踏まえ、公立校の配置や規模の適正化を進めて再編を図り、地域の中心となる拠点校の強化を進める。」
とあるが、要は、定員割れを繰り返す公立高校の再編、廃校をどのように進めるのかという事になるのではないかと懸念する。何回も言うようで申し訳ないが、大阪府では「3年連続定員割れ」を起こした府立高校は、再編対象である。これをモデルとしているようでは、いろいろなハレーションが起こるだろう。都会と言われる大阪府でも、通学困難高校生が生まれかねない状況である。果たして、再編計画をどのように進めるのか、その具体策が注目される。

公立高校地盤沈下先進自治体の知事である吉村知事は、次のようにコメントしている。
「無償化で私立高の人気上昇、公立高の魅力向上へグランドデザイン…国際化やデジタル推進
→ 人口減少化における教育の質の向上。狙った方向になってきた。今までは議論すらなかった。生徒側は学校選択の自由の拡大。学校側は切磋琢磨による教育内容、質の向上。受益者は生徒。」(6月8日facebook)
吉村知事によると、「狙った方向」らしいが、吉村知事自身は、公立高校の地盤沈下を進めただけで、魅力化は一向に進めていないし、予算もつぎ込んでいない。文科省には、大阪を悪しきモデルとして参考にしてほしいと思う。
今思いつくことで言えば、次の事が大事だと思う。
★通学困難生徒を産み出さないための高校配置(例えば、最低1市1公立高校等)
★公立高校の裁量権の拡大(私立高校の裁量権に近づける)
★公立高校への予算の投入(施設などの改善)
★高校受験への併願制の導入
等である。
ただ、以前にも言っているように、根本的に公立高校の地盤沈下を防ごうと思えば、受験において不平等となっている公立高校と私立高校の受験日を統一することである。政府‐文科省がこれを言い出せば画期的だし、どこかの政党が言い出せば、真っ先に支持をするが、今のところどこの政党も言っていない。これでは、公立高校の地盤沈下を根本的に止めることもできないし、吉村知事のいう「切磋琢磨」はきれいごとでしかない。
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