立憲民主党・国民民主党・日本維新の会が、公立学校の給食費無償化の法案を提案している。一致できる点から共同で法案を提出するのは、とても良いことだ。一致点を増やして協働できる機会を設け、互いの信頼を深めてほしいと思う。
この法案提出について、文科省がコメントを発表している。
①給食未実施校の子ども、アレルギーや不登校で食べていない子どもが約61万人いる
②全児童生徒のうち14%が就学援助を受けるなど経済的理由で就学困難な児童生徒はほぼ無償化されている
ということを理由に、給食がない学校に通う児童生徒らとの公平性や、困窮世帯は生活保護の教育扶助や就学援助で無償になるため格差是正にはならないことを指摘した。官僚が考えそうな屁理屈で、とにかく必要ないと言いたいためにあげた理由の匂いがプンプンする。こんな屁理屈にもいちいち反論しなければならない行政の世界とは、何なんだろうと思わざるを得ない。
一つ一つ見ていこう
①まず、アレルギーで弁当を持参している子について。アレルギーの児童生徒がいる家庭には、無償化分の一人当たりの費用を還元すればよい。すでに、経済的理由で就学困難な児童生徒には無償化されているのであるから、個別対応は可能なはずだ。これで、不平等感はなくなる。
②不登校生徒は、学校に登校していないのであるから、本来給食費はかかっていないはずだ。登校が再開された段階で無償化措置をすればよいとするか、自宅で昼食を食べているのだから、不登校として保護者が申請すれば、①と同じように個別対応をすればよい。
③就学困難な生徒ですでに給食費が無償になっている世帯については、その措置を自治体が行っているなら、その費用を政府が肩代わりすればよい。すでに、無償化されている世帯に全世帯を合わせようとする措置のどこが不平等なのかと思う。給食費の無償化によって、格差是正を主な目的とするわけではない。すでに給食費を支払っている家庭の負担軽減を行うことが目的なのだ。
④給食がない学校には、政府自治体で給食支給を行うべきだ。どうしても無理な場合は、①と同様、各世帯に還元すれば良いではないか。マイナンバーカードで口座が登録されていれば、このような措置は、簡単にできるはずである。
このように考えれば、課題は解決する。思考の方向性が、反対する理由を探るのか、それとも課題を解決する方向で考えるのかの違いである。明らかに文科省は、反対する理由を探している。文科省は、公立学校に限って実施した場合でも約4832億円の安定財源の確保が必要になることに触れ、少子化対策として効果的な施策かどうか検討が必要と強調したというが、家庭の負担をちょっとでも減らすということに政府の予算を使うことの何がおかしいというのだろうか。とにかく日本は、教育費にお金がかかる国である。その負担を少しでも緩和することが必要ではないか。
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