大阪維新の会が、3度目の都構想の住民投票に向けてPTを発足させた。皆さんがご存じのように、過去2回、都構想は僅差で否決されている。果たして今後の展開はどうなるのかという問題だ。この問題は、都道府県と同等の権限を持つ政令指定都市という制度の問題だ。政令指定都市はどんどん増え続けている。最初は、横浜市・名古屋市・京都市・大阪市・神戸市の5都市からスタートしたが、現在では20都市を数えるまでに増えた。現在の都道府県をベースとする地方自治体制度と同じ地区に同等の権限を有する政令指定都市が存在するという2重の行政制度となっている。
この2重行政が、大阪府のように狭小な自治体にとってどうなのかという問題がベースにある。だから、政令都市がある全ての自治体を対象とした話ではない。初期の頃は、こんなちょっと考えたらわかるような論点も、大きく取り上げられて議論がなされていた。大阪府と大阪市という狭い地域にあるが故に発生する問題なのだ。
確かに過去の大阪の行政は、二重行政の弊害が大きかった。大阪府が大阪地域全体の発展を考えて計画しても、大阪市に権限ある事象については、大阪市が了と言わなければ、何も前に進まない。それだけではない。大阪市と大阪府がこぞって同じような箱モノを作り、競争をするという馬鹿げたことまで起こっていたのだ。
ところが、大阪維新の会が大阪府も大阪市も首長を取り、議会での多数派を握ることで、疑似的な都構想状態が生まれた。この府市行政の下、教育の分野でも変革が起こった。まずは、大阪市立の支援学校が大阪府に移管された。続いて、大阪市立の学校も大阪府に移管されることとなった。ちょうど私が府立高校を退職する1年ほど前の話である。これだけではなく、広域行政に関わる大阪府と大阪市の連携はどんどん進み、大阪の街の様子は大きく変わっていった。私の職場の近くにある大阪高島屋とマルイ百貨店の間にある広場も、バスやタクシーの乗り場だったのが大きく変わった。南海電車の難波駅にもつながる広場で、関空から南海電車を使って大阪市内に降り立つ最初の訪問地になる。それだけに、以前のごちゃごちゃした感じの広場では印象が悪い。今回の広場の整備は「よくやった!」と思う。このクリスマスの時期には、以前にFacebookに投稿した大きなプレゼントボックスが設置され、日本人だけではなくインバウンドにも「映える」スポットになっている。また、大阪のメインストリートである御堂筋もイルミネーションで飾られるのだ。歩いていても気持ちが良い。
さて、3度目の都構想について、一つ提言してみたい。それは、住民投票の対象の拡大である。最初にも行ったように、大阪府は狭小の自治体だ。大阪都構想は、大阪市民だけでなく、大阪府民も大きく関係する。それならば、住民投票の対象を大阪府民全体とすべきではないかと考えるのだ。おそらく、大阪市民以外の大阪府民にとって、都構想に否は少ない。メリットの方が大きいからだ。そして、周辺自治体にとって、大阪市の都構想が実現するかどうかというのは、大きな影響をもたらすのである。すでに大阪市営地下鉄は、Osaka Metro(大阪市高速電気軌道株式会社)となり、周辺自治体まで延伸されており、多大な影響をもたらしている。大阪府民全員が無理でも、大阪市と隣接している自治体の住民だけでも住民投票の対象としてほしいものだ。
大阪維新の会のPTのみなさん、一度検討してもらえないだろうか。
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