SNSとはそういうものだ!

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 兵庫県知事選挙のその後が喧しい。選挙結果が出て1週間が経とうとしているが、連日兵庫県知事選挙の「その後」が報じられている。その中心は、SNSについてである。11月24日の読売新聞のtopには、「閲覧稼ぎ ゆがむ論戦」「正確性より収益重視」というタイトルで記事が掲載され、今回の兵庫県知事選挙の特集を組むようだ。
 記事には、埼玉県のユーチューバーの例が記載されていた。最初は、スポーツのゲーム実況の動画配信していたが、再生数が伸びないので国会論戦の動画を編集して配信したら、再生数が急増したという人である。この人は、わざわざ埼玉県から車中泊をして、兵庫県知事選挙を配信したという。再生数が170万回を超えて、今まで一番の収益をあげたという。ユーチューバー曰く、「事実かどうか確認できていないものもあるとは思う。でも、それで視聴者が喜んでくれるならいい」とコメントしている。記事の論調としては、タイトルにあるように、SNSは「正確性より収益重視」で、それが「悪」であるというように書かれている。しかし、考えてみるまでもなく、SNSとはそういうものだ。当然、事実無根のことで、相手の名誉棄損や誹謗中傷を行ってはならない。それは当然のことだ。だが、SNSの中には、噂話も含まれるだろうし、事実として不確定なものも含まれるのだ。週刊誌だって、事実が不確定なものであっても堂々と掲載している。例えば、「〇〇に□□の疑惑!」などと。まだ事実ではないのに、疑わしいというだけで、このようなタイトルをつけて報道している週刊誌もたくさんある。週刊誌も売り上げが最終的な目的という意味では、SNSと同じである。なぜ、読売新聞は、これほどSNSをやり玉にあげるのか。
 
 そもそも、世の中の人たちは、関心がないSNSにはアクセスしない。この埼玉の人も最初のゲーム観戦の動画にはアクセスが少なかったという。人々の関心が高いから、SNSにもアクセス数が増えるのだ。読売新聞も「SNSには正確性に乏しい」というのなら、それこそ大手マスコミとして「ファクトチェック」をしっかりと行い、SNSの間違いをしっかりと修正すべきだ。ところが、選挙期間中という最も関心が高まる時に、そして多くの人々が情報を欲する時に、大手マスコミは「自主規制」と称して、選挙に関する報道をほとんどしないのだ。仕方なく有権者は、SNSに情報を求めに行く。そうすると、自分の考えていることや疑問に思っていることに、SNSが答えてくれているのだ。「なるほど!」と思うだろう。そのSNSが伝える内容に事実として不確定のものが含まれていても、合点がいけば信じるし、納得もするのだ。

 今回の兵庫県知事選挙の場合、斎藤知事のパワハラ、おねだりから端を発した問題だった。告発文を書いた局長の自死には、私も「?」を持った。なぜなら、最も知事を告発できる百条委員会に出席せずに、自死を選んだからだ。絶好の機会を逃すのはなぜか?ということである。その問題を副知事が話そうとしたら、百条委員会でストップをかけたり、大手マスコミがストップをかけたりしていた。これをNHK党の立花氏が大々的に暴露したのだから、有権者が飛びつかないはずがない。ユーチューバーもここぞとばかりに飛びつくだろう。ネット社会とはそういうものだ。大手マスコミもSNSを悪者扱いする前に、自らが報道の責任をきちんと果たしていないことを謙虚に反省すべきだろう。そうでなければ、世間はどんどん玉石混交の情報に惑わされる。


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