学校関係者評価-進路指導


 学校関係者評価の項目、進路指導についてです。このジャンルでまず重要な設問として位置づけられるのが、「本校のこれまでの進路実績に満足している。」という設問です。進路結果というのは、学校の3年間の総決算を示すものですから、生徒も保護者も教員も注目します。そこで、この設問をみる視点ですが、当然肯定感の割合は重要です。特に肯定感が低い場合、生徒がどのようにこの状況をとらえているのかがよくわかります。この時、教員が注意しなければならないのは、生徒が希望する進路を実現するのに必要な努力をしていると評価できるのかどうかです。この評価によって、どのようなメッセージを生徒に投げかければ良いか、変わってきます。生徒の努力が不十分で肯定感が低い場合は、「やるべきことをしっかりやるべき」というメッセージになるでしょう。当然のことです。やるべき努力をしているのに、肯定感が低い場合は、その原因をもっと分析する必要があります。もしかしたら、学校の進路指導の問題点を指摘していることも考えられるからです。
 もう一つ、注目すべきことがあります。生徒と保護者の肯定感の差異です。特に、進路指導についてのこの設問には、保護者の肯定感がどれほどかが、とても重要になります。進学校であればあるほど、重要でしょう。学校と保護者の信頼関係にも影響してきます。
 この項目で、もう一つ重要なのは、キャリア教育がどこまで実施されているか、進路に関する情報提供がどれほど行われているか、です。今では少ないと思いますが、「進路は3年になってから」と考えている学校もたまにあります。このような学校では、1・2年生、特に2年生の肯定感に注目すべきではないかと思います。特に、2年生は「進路指導の仕込みの時期」と言われます。この時期にキャリア教育に力点を置き、進路実現に向けた「生徒の心に火をつける」ということが大事です。その学校が、生徒の心に火をつけられているかどうか、その現状を分析する設問が、キャリア教育に関する設問です。


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