何の事か。為替相場に使われる言葉だ。現在、円安が進行しており、一時は160円台に達した。そんなニュースを聞いていると、よく、「市場関係者には、政府-日銀が市場介入をするのではないかと「警戒感」が広がっています」とキャスターが言う。円安は、輸出を企業の基調とする大企業には、有利に働く。また、インバウンドが増加し、観光業を中心としたサービス産業には良い傾向かもしれない。円安によって生み出された利益を賃上げに還元するということが、この春闘で行われたというのであれば円安も悪くない。
ところが、原材料を輸入に頼る中小企業にとっては、死活問題であるし、輸入用品を中心に多くのものが値上がりしている。小麦を海外からの輸入に頼る日本にとっては、様々なモノの値上がりに結びついているのだ。行き過ぎた円安は、日本にとって良いとは言えない。だから、政府-日銀が、為替相場に介入し、加熱する投機筋の動きに対して、正当な為替相場に修正するというのは、正しい行動だ。現在は1ドル150円半ばで推移しているが、経済学者に言わせると、アメリカの経済規模と日本の経済規模を比較すると、140円前後が本来の相場であると言われている。やはり、アメリカのインフレ、好景気により、アメリカの金利が高い水準で維持されていることが、円安を進めているのだ。
そこで、この「警戒感」である。政府や日銀が市場介入することは当然のことで、国民にとっては嬉しいことではないかと素人には思えてしまう。そうしたら、誰が「警戒感」を持っているのか。為替相場で利益を上げようとしている投機関係者だろう。アメリカドルを買っているのに、急に円高方向に振れたら、損をするのはドルを買った連中である。そういう連中には、日本の政府―日銀がいつ介入するのかという警戒心が起こるのは、よくわかる。しかし、大多数の国民にとっては、そんな警戒感は関係ないし、逆に介入してくれた方がありがたい。
そこで、言いたい。この「警戒感」という言葉は、一部の者(投機筋等)の気持ちをマスコミが代弁しているのではないか。もっと、国民にとってはどういう影響が出るのかという視点で報道したほうが良いのではないかということだ。つまり、取材する記者が関係者から聞いた話をそのまま垂れ流しているがゆえに、多くの国民の感情とは乖離する変なニュースになっているのではないかと思う。
以上は、素人考えであるが、一人の日本国民の考えでもある。
コメントを残す