4月4日の読売新聞「新学力 第2部 変わる入試4⃣」が掲載された。記事は、東大を頂点とする根強い偏差値志向があるということを基調としている。例えば、
長男が開成中に合格した父親は、
「さっそく塾選びをしないと。頭のいい生徒が集まる学校だから、塾での勉強が欠かせない」
また、塾に通わせる50代の父親は、
「将来の選択肢を増やすため、東大に入学させてあげたい」
とコメントする。そんな勉強をさせて、伸びきったゴムのようになった生徒が東大に入学して、どんな社会人が育つのかと思う。もっと、野武士のように、強かにたくましく、そして打たれ強く育たなければ、これからの世は生きていけないのではないか。か弱いエリート教育を行ってどうするんだ!と叫びたくなる記事の内容だ。
サピックスの教育事業本部長がこんなコメントをしている。
「国立大学を中心に筆記試験が主流となっているのは、努力の道筋が見えやすい試験の形を、日本人が根強く支持していることの表れではないか」と。こんな日本人を育てていては、益々クリエイティブな日本人は育たない。そして、益々日本の生産性は落ちていく。そして日本は、長期凋落傾向に歯止めがかからなくなるのだ。
読売新聞に言いたい。こんな記事を載せるより、どの入試で合格した生徒が、大学の学びで伸びているのかを記事にしたらどうか。その方が、よっぽど有益だ。果たして1点刻みの筆記試験を突破した学生が、大学で伸びているのか。それとも、目的意識をもって総合選抜入試を突破した学生が、伸びているのか。この点について、もっと焦点を当てた記事を掲載してほしい。
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