日本維新の会の設立者の橋下氏、現代表の吉村氏、そして共同代表の前原氏が、それぞれ大阪府立高校の出願状況についてコメントを述べた。ご存じのように25年度入試の府立高校の倍率は、1.02倍となり、戦前からの伝統校、寝屋川・八尾・鳳などの高校も定員割れを起こした。このことについて、維新の中心メンバー(元も含めて)の3人が、「これが維新の本音か!」という事を語っている。それぞれ、次のようなコメントだ。
橋下氏:
いいね。狙い通りの政策効果。大阪は生徒の公私間比率協定を撤廃し、定員割れの高校を統廃合する条例も制定した。少子高齢化時代、学校の統廃合は必要不可欠。(3月2日Ⅹに投稿)
吉村氏:
少子化の中、定員割れは必ず起きる。生徒から見れば、行きたい学校を目指せる社会に近づいている。再編をしながら、高校の質を高めていくべきだ。(10日、府庁記者団の質問に答えて)
前原氏:
高校教育に関しては、(無償化によって)私学を選ぶ子どもが増え、公立の地盤沈下につながるというふうに言われることも多いのですが、僕はそれでいいじゃないか、と思うんです。なぜなら、子どもの目線で見たときに、私学に行きたかったのに親の経済的事情で諦めざるをえなかった子が、私学に行けるようになるわけです。その学校に魅力がある、あるいは強い部活動があるからかもしれない。選べるようになるのは子どもにとっていいことです。
この場合(選ばれなくなった)公立は安さだけがアドバンテージだったということで、それは高校の本当の魅力ではない。自由に選べることによって、質の競争が生まれます。子ども目線で質の高い、あるいは特色のある学校をつくらなければ、選ばれなくなる環境ができるわけです。
もちろん、公立高校でも非常に努力して魅力やレベルの高いところはたくさんあります。でも、何にせよ子どもは減っていき、定員割れの学校は増えていきます。統廃合していかないと、もう無理です。(青山和弘の政治の見方より)
確かに、少子化の中で高校の統廃合は、必要である。大阪府の教育基本条例で「3年定員割れをすれば、再編対象」というのも、府民の合理的な判断だろう。だが、この維新の3人に決定的に欠けていることがある。それは、
公立と私立との生徒獲得競争は、同じ土俵で行われていない
ということだ。少子化が進む中で、生徒獲得競争は激烈を極める。だが、全国で公立高校よりも遅い日程、または同日に私立高校の受験を行っているところなどあるだろうか。全て、私立高校が先行して受験を行っているのだ。もし、同日入試を実施して、公立高校と私立高校の生徒獲得競争が同じ土俵で行われたらどうだろう。私立高校にも定員割れが発生し、高校教育から退場していく私立高校があるはずだ。現状では、公立高校のみが、退場を余儀なくされているのだ。私立高校の中には、質の低い教育しかできていないところもあるはずだ。これでは、高校教育が歪になる。
維新の3人に物申す!あなたたちが得意とする市場原理が、この高校無償化では平等に働いていないのだ。同じ土俵=同日入試を実施してこそ、平等な生徒獲得競争が実施されるのだ。あなたたちのやっていることは、公立高校潰しでしかない。さらに、前原氏は「無償化だけでいいとはまったく思っていません。教育の質の改革も大事です。」と言うのなら、教育予算を増やし、公立高校への環境整備、教員の増加を行うべきだろう。日本の安い文教予算を増やさずして、何が「質の向上」だと思う。政治家のやるべきことをしっかりやれと言いたい。
この3人のコメント、維新の本音が出た。もう維新は支持しない。国民民主党を支持する。
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